手前味噌作りⅠ

キパワーソルトを使った自家製味噌の造り方。昔ながらの「手前味噌」に若い主婦も、ベテラン主婦も大健闘

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つい最近まで味噌は、家庭の手作り食品の定番だった

味噌は昔から「味噌汁の医者殺し」と、諺でも言われるように健康に良いイメージがあります。
事実、本物の味噌はタンパク質を構成するアミノ酸の中で、リジンやロイシンといった必須アミノ酸が多く、不足しがちなビタミンやミネラルも豊富に含まれています。発酵によって生じたリン脂質の一種レシチン も非常に豊富に含まれている事が判明しています。

大メーカーの造る味噌は、原料、添加物に問題がある

ところが、スーパーなどに大量に出回っている多くの味噌は、ノルマルヘキサンを使い油を絞りきった大豆カスを原料に用いているので栄養的な価値はほとんどありません。しかも、ソルビンやソルビン酸カリウムのような保存料が使われ、核酸系調味料がふんだんに使われています。もちろん、良心的に天然醸造の味噌を造る小さなメーカーさんも地方にはまだ数多く残っていますが、地元消費が主で手に入れ難いものがあります。もともと味噌は、以前から各家庭で作られ『手前味噌』といわれるくらい各地方ごとに気候、風土、農産物、その土地の人たちの嗜好によって千差万別、いろいろな味噌がありました。 

どこの家庭でも材料さえあれば、簡単に出来る手前味噌

そこで一念発起、どこにもない最高の『手前味噌』を造ろうと、前回の「米味噌」に続いての味噌づくり講習会を開催しました。最高品質の食品はまず素材選びからということで、大豆は北海道・剣淵「生命を育てる大地の会」の農家が作った丸大豆、麹は 高崎市・こおじ屋(創業430年)の麦麹、キパワーソルトという組み合わせです。前回は米麹、今回は時季で麦麹としました。          

味噌造りの材料と分量

 

1軒あたり分量は、大豆1kg、麦麹1kg、キパワーソルト500gで、味噌の出来上がり約4.5キロです。準備する道具類は大豆を水に浸すためのポリバケツまたは大きめのボ-ル、圧力鍋、すり鉢とすりこぎ棒、しゃもじ、または木へら、かめ、または漬け物用のポリ容器、ラップ、火力はガス台を使用、あるいは電気使用のクッキング・ヒ ーターがあれば高火力、持ち運び簡便でとても便利。

みんなで造れば楽しい味噌造り

 

参加者は、老若の主婦や独身女性が二十数名。初めての人は不安やら、楽しみやら複雑な心境だが、前回参加の主婦には余裕が伺え、初めての人に教えながらの味噌づくりが始まりました。
講習の内容は、ひとりで家庭でも造れるような道具や手順を考慮した作り方です。

●まず始めに前夜、大豆を水に浸しましたが、良質の大豆はさすがに浮き豆や傷豆がほとんどなく、美味しさを予感させるものがあります。容器は大きなボ-ルやポリバケツ、あらかじめ購入してあったカメまで総動員して、分かりやすいように1㎏づつ計量し、軽く洗って水に浸します。水の容量は大豆の3倍量。
●翌日、浸した大豆を取り出し、各自持参した圧力鍋で大豆を煮ます。1㎏の大豆を煮るのに、家庭にある普通の容量の圧力鍋では2回に分けないと無理です。圧力鍋でないと時間がかかり、埒があきません。小分けにしても、圧力鍋のほうが速いことに一同納得。
●煮上がった大豆は、ウチワで扇ぎながら熱を冷まします。冷ましながら2~3粒口に放り込んでみると、柔らかくて何とも云えない甘さに皆びっくり、やっぱり素材の大切さを改めて認識。
●圧力鍋の蓋にも、悪い大豆は皮がべったり大量に張りついてしまうが、良い大豆はほとんど無いので、流石!という感じです。煮あがった大豆は、ウチワでよく冷ますのがコツです。
●次に、各自持参のすり鉢で豆を潰しますが、最初は木へらやしゃもじで荒く潰し、すりこぎ棒で細かく磨り潰して行きます。始めは、ゆで汁がないほうが潰しやすい。
●磨っていくうち少し固くなるので茹で汁を足して磨り潰す。最近の家庭は、昔のような大きなすり鉢を持っている事がほとんど無いので、小さめのすり鉢で何回も悪戦苦闘しながら、ボ-ルにすりあがったものを溜めて行きます。年配主婦のすりこぎ棒の扱いに若い主婦が「サスガ!」と感嘆。「亀の甲より、年の功」とばかり、年期の違いがわかります。
●一方、煮豆の順番待ちの人は、ボールに入れた麹をよくほぐしますが、麹の塊を丁寧にほぐして、分量の塩を均一に混ぜます。よく塩と麹がなじむ様に混ぜ合わせるのがコツ。麹をいじっていると手がツルツル、すべすべになると声があがる。
●大きなボールや、すり鉢につぶした豆を入れ、全体の味が均一に混じるように手でこねるが、これが結構な力仕事・・・。
●このようにして、皆さん額に大きな汗の粒を浮かべながら力闘しばし、だんだん味噌らしくなっていきます。
●これを熱湯消毒、アルコールで拭いて、水気をきったカメの内側に「キパワーソルト」を満遍なく振っておきます。
●両手で大きな団子を丸めるように、まとめた味噌玉を瓶またはポリ容器の底に向け、強く打ちつけるように入れます。強く打ちつけるのは、すき間をなくしてカビの発生を防ぐため。順次詰めて終わったら、手のひらで表面を平らにし、さらに強く押して空間がないようにしておく。
● 最後に、表面に薄く満遍なく塩を振って、ラップをはりつけ、蓋をします。各家庭、常温の場所に静置しておき、約半年後の出来上がりを楽しみに待つわけですが、途中で醤油のような汁が出てきたら、上下をかき混ぜましょう。また、カビが発生することがありますが、白いカビの場合は麹カビです。
●麹カビは、発酵を促進し、味噌のうま味を醸し出ものですから心配ありません。但し、青いカビや黒いカビの場合は、ヘラで薄く削ぎ取り、その上に「キパワーソルト」を振っておきましょう。
これで、大豆を煮る段階から詰め上がりまで、全工程2時間の奮戦で無事講習を終えました。