医食同源お薦めの本-38 陰陽重ね煮クッキング

東洋医学や食養で「陰陽」というと難しく考えてしまいそうですが、著者・梅崎和子さんの体にやさしい養生レシピでは、陰陽というモノサシを非常にわかりやすく料理(自然の摂理=ことわりをはかる)に応用しています。
現代の料理=調理は西洋の栄養学的思考で組み立てられていますが、ここで紹介されている「重ね煮」は陰陽の中の野菜がもっている軽い、重いという性質や、季節や旬によって変化する性質に準じて献立が工夫されています。
ですから、著者は「重ね煮」は野菜のうまみを引き出す料理法でだしを使わなくても美味しい。皮むきをあくとりもしないから「下ごしらえが面倒」と敬遠しがちな煮物やあえ物をお鍋ひとつで作り出す事が出来る。陰陽という自然の摂理を食卓に盛り込む「重ね煮」は、こころと体に心地よいから、必然的にアトピーや冷え性、生活習慣病などを癒してくれると言っています。
献立の中身も「ごはん」を中心に「煮物」「あえ物」、和風、中華風、洋風とバラエティーに富んでいますから、養生食にありがちな和風に偏った堅苦しさはありません。また季節の陰陽を取り入れた配慮がしてありますから、虚弱な方や療養中の方の献立にも最適です。
普段、料理をする時間がないという方や、料理初心者の方には、理解しやすく手がけやすい料理本と思います。ご家庭で一冊備えて置くと、いろいろお役立てすると思いますのでお奨めする次第です。
★著者・梅崎和子(元病院栄養士・陰陽健康料理研究家)
★定価、 1,429円(+税) 発行・社団法人 農山漁村文化協会
お奨めの本-34 料理の常識

この本のタイトルを見たときに、「料理の常識」は平凡な題名だったが、(調理以前の)とあったときに「オャッ」と思った。最近の家庭では、料理離れが言われています。まぁ、それでも料理をする主婦はまだ多いのではないかと感じていたが、それ以前のと専門家がいうにはどんな事が書いてあるのだろうと興味をもった。
すると、まぁ以前の日本だったら、おばぁちゃんからお母さんへ、娘へと、常識として受け継がれていたこと以前の事が、ずらずらずらっーと書かれているではありませんか。確かに(調理以前の)とあるように、料理の献立や焼き方、煮方のスキルなどの手前の事や、以前の事から説明していかないと、今は常識以前のことが伝わっていないということなのかも知れません。
野菜の切り方以前の庖丁の持ち方から選び方から始まり、昔の料理本だったら「入門書」というべきところを、それ以前の段階から書いてある。もちろん、配膳の箸の置く位置、ご飯茶碗の位置、汁椀の置きかた、主菜、副菜の位置など、どこの家庭でも常識として知っていたことが、今では(調理以前の)と銘打って説明されているす。
もちろん、ベテラン主婦でも、忘れてしまっていたことや、うろ覚えに覚えていたことが再認識できるという効用もある。阿川佐和子さんが「還暦祝いでもいいけどね・・・」と評ししていることもうなずける。この本1と2を合せて533の常識と称する智恵がつまっている。とにかく、この本をご覧になれば、料理について全く何も知らない若い女性でも、一通りの常識が身につく。その意味ではとても分かりやすい。
ただ、調味料については、特に塩についてページ数も少ないし、料理の本だから致し方ないこともあるが、説明の仕方が浅いのや、突っ込みの少ない点は仕方ないところでしょうか。家庭料理離れが言われている昨今、このような本が22万部といわずもっと沢山売れて、料理に親しむ人が増えれば喜ばしいことです。特に若い女性が料理に興味をもつきっかけとなれば、これを機会に「食はいのちなり」という事を考えるよすがとなる事でしょう。テレビのアンケートでも、まだ一度も庖丁を握ったことのない主婦が増えているだけに、本書の健闘に期待する次第です。
★著者・渡邉香春子(料理研究家)
★定価、各冊とも 1,470円(税込) 発行・講談社
お薦めの本-29 『生きて死ぬ智恵』

今年のお正月、読み直した本の中にこの一冊があります。最初、宗教に関わる本をご紹介するのは、ちょっとふさわしくないかな、と思いましたが、何方にも共通するテーマとしてこれほど深く感銘を受けたものはありません。
心訳・般若心経とある本書は、単なる般若心経の解釈本と違います。
西遊記でご存じのあの玄奘三蔵法師がインドから持ち帰った経典のひとつと言われています。西遊記はフィクションですが、玄奘三蔵法師は、実在の人物でした。
私の菩提寺は曹洞宗ですから、仏事や法事、寺の行事にもご住職やお坊さん方が必ずお唱えするお経の一つです。ですから、経文の一部は多少頭の中に入っています。また、「色即是空」や「空即是色」など文言が有名なお経でもあります。
この般若心経の訳は、宗教学者や研究者からみたら異論のあるところでしょうが、心訳とある通り、著者の柳沢桂子さんの生きとし生きて、死と向かいあって来た感性のままに訳されたといってよいでしょう。柳沢さんは、お茶の水女子大を出て、コロンビア大学大学院博士課程から慶応大学医学部分子生物学教室助手となり、生命科学では世界に先駆ける成果を残し、将来を嘱望されていました。
しかし、突然「原因不明の難病」に冒され、36年間闘病生活を強いられています。99年にようやく診断がついたと思ったら2004年には新たに「脳脊髄液減少症」という奇病が加わり、まさに死と向き合いながら生きて来たといっても過言ではないでしょう。闘病のかたわらサイエンスライターとして頭角を現し、エッセイストとしても才能を開きました。
この般若心経の訳は、読む人によっても意訳に過ぎると異論のあるところでしょう。しかし、心訳とある通り、著者の柳沢桂子さんの生死ぎりぎりのところで生きて来た人しか達観しえない感性のままに訳されたといってよいでしょう。
ことにNHK教育テレビ「こころ時代」放映は、大反響を呼び、ある知人いわく「とにかくこの番組は正座して見ねばと頭を叩かれた気分でした。本当にすごい・・・」と言わしめたほどでした。
心訳・般若心経は、美しい現代語で語られています。これほど平易に生命や生き方について般若心経を分かりやすく説いた本を知りません。意訳に過ぎるという批判もあるかも知れませんが、「いのちの意味」をわかるためにも読んで欲しい一冊です。
★文・柳澤桂子 画・堀 文子
★定価 1,200円(税込) 発刊・小学館
お薦めの本-28 『新・生命の創世記 いのちと塩』
2005年11月末、医学博士・佐藤稔先生と塩研究家・佐藤秀夫氏(上田秀夫ペンネーム)との共著「新・生命の創世記 いのちと塩」の韓国語版が発刊されました。
実は、キパワーソルトは、原産地が韓国でありながら韓国では売っていませんでした。ですから、韓国の方は日本でキパワーソルトを買っているという現象が見られました。
なぜなら、キパワー株式会社は日本の法人で、製造元清水食品㈱も、その子会社ですから、韓国では販売していなかったのです。
韓国でも唯一、-150ミリボルトという還元力のある塩を開発する過程で、古代伝承・塩田製法焼塩の価値を認め、研究して、世界一の優秀な塩であることを韓国の行政、研究機関、大学等へ訴え続けて来たのが、キパワー株式会社社長でもあり、塩研究家の上田秀夫その人でした。
自国の伝承技術やその文化的価値について、地元では意外と気づいていないという事はままあることです。それは、京都の桂離宮が、建築家ブルーノ・タウトによって世界に紹介され、絶賛されるまで、その価値に気づかなかった事と共通しています。
その気づきのキッカケとなったのが2001年に発刊された「新・生命の創世記いのちと塩」と思います。今回の韓国語版には、その後4年間に蓄積した新しい知見が数多く盛り込まれています。今回のデータの中で、数少なくなった世界中の塩田塩の中で、一番良質の塩であることを証明してくれたのは、図らずも財団法人・塩事業センター(旧専売公社)の世界最高分析技術による「データブック」でした。
世界に残された数少ない塩田に共通する事は海水汚染による環境問題です。塩田が存立しない海は、魚や人も住めない地球環境になるという事です。環境問題も含め事の重大さに気づいた韓国政府も塩田の見直しと保護育成に乗り出しました。地元の木浦大学(モッポ大学)にも「塩生命科学研究所」が発足しました。
この本の出版には、全羅南道知事の推薦文、木浦大学学長の推薦文という異例なことまで起きています。多くの韓国人も知らなかった塩田塩・古代製法の焼塩について、本書によってその価値が広まって行くにちがいありません。
面白いことに本書では、日本の伊勢神宮「御塩焼神事」まで紹介され、塩を焼くというのは、神代の時代から古人の共通した認識であることを記しています。日韓それぞれの食文化における共有財産として、塩田塩の古代伝承焼塩は守り続けて行きたいものです。
地元韓国内において、塩の情報・知識の啓蒙に大きな力を発揮する一書ではないかと思い紹介する次第です。
※全文ハングル文字ですが、本の入手については下記のメールまでお問い合わせ下さい。
お薦めの本-27 『新・生命の創世記 いのちと塩』

私も塩の研究者の端くれとして、いままで色々な文献は収集し読んできた。それは、塩の歴史書であったり、塩の製造法であったり、自然塩運動に関するものであったり、塩の化学書であったり、医家の臨床体験にもとづく啓蒙書であったり、本草学にもとづくものであったり、薬学書であったり、各種の雑誌・文献と数限りない。
この「新・生命の創世記 いのちと塩」は、医学博士・佐藤稔先生と塩研究家・佐藤秀夫氏との共著である。塩は、いままで塩化ナトリウムやミネラルの有無を中心にして良し悪しを論じられていた傾向がある。特に、医学的に是非論を語った書は、数限りなくあるが、この本ほど、「生命の起源と塩の本質」についてきちんと検証されている著書は他に知らない。
それもその筈で、塩研究家・佐藤秀夫氏は、実際十数年にわたる塩製造のプロモーションを手がけ、私財を投じて研究した実践家であるから、学者の机上の論理と違うものがあり、それを科学的、学問的に裏付けをして来たのが、盟友の医学博士・佐藤稔先生であるから、「実」と「理」が兼ね備わったものといえる。
いま世界的にみても希少となった、塩本来の製法である「塩田製法」の塩の価値を生産地である韓国の行政府や学府(地元の木浦大学)にまで知らしめ、大きな鳴動を伴う事になったのは、一人の塩キチガイの日本人(佐藤秀夫)であり、本書がその端緒となったのは間違いのないことである。
現在まで版を重ねて、いまなお読む人が絶えないのは、内容のしからしむるところであり、多くの事業者、学者、研究者、市井の読者から賛辞が寄せられているのは、今までと違う視点で書かれているゆえんであろう。
塩関連の書籍としては、不朽の名著と思う。塩だけでなく「健康や生命の本質」に関心のある方は必携の書としてお薦めするものです。
★著者・医学博士・佐藤稔、塩研究家・佐藤秀夫 共著
★売価・・・・1,300円(税別)COCORO/ココロ 刊
お薦めの本-26 『究極の免疫力』

このところ免疫に関する 本が多くの人々に読まれてベストセラーの仲間入りしているものが少なくない。本書は、免疫に関して専門書 と一般書の中間的な本であるが、最先端の免疫学の知識を得るにはうってつけの本である。
西原先生の著書は「赤ちゃんの進化学」という本の紹介でお馴染みと思います。長年の免疫学 研究で「カギはミトコンドリアが握っている」ことを突き止めました。免疫に関する記述は多少医学的知識がないと難しいかもしれません。
しかし、「口呼吸」 や「体を温めることの大切さ」など東洋医学との共通点や、日本の医療制度、医学界の内幕など、 現代医学の問題点、日本の医学はどこの時点でおかしくなったのか等、東大医学部に在籍した人しか知り得ない内情など、関係者でなければうかがい知れない話しです。
いままでそびえ立つ「白い巨塔」と思っていたものが、実は明治時代の西洋医学導入時からのボタンのかけ違い、戦後アメリカ医学の台頭により日本の医療がどのように歪められたか、医史学的な面白い読み物としても興味が沸きます。
さらに、発生学的に正しい子育てのあり方など、昔からの日本の育児法の正しさなどを検証し、年来の主張である西原節は健在です。
★著者・西原克成(日本免疫病治療研究会長、西原研究所長)
免疫学では、新潟大学の安保先生とともに新しい系統の学説を提唱する双璧。
★売価・・・・1,680円(税込み)講談社インタ-ナショナル
お薦めの本-25 『早く肉をやめないか?』ほか

3年前の秋、日本で突然発見されたかのごとき「狂牛病」ですが、筆者はすでに5~6年前から著作や講演で警告を発していました。
発見されてからも、農水省、厚生労働省の対応は〈臭いものにふた〉で「国民の安全性」を置き去りにしたため、不安は一挙に拡大しました。数ヶ月が過ぎて「のどもと過ぎれば・・・」という頃になりましたが、基本的な問題は何ひとつ変わっていません。
そんなとき、事の発端から、問題の本質まで深く掘り下げた本書をお奨めいたします。対岸の火事と思っていた狂牛病が実は、レベル・スリーという強汚染国だったという。3年前の秋発見された狂牛病以来、国民の関心は深まりましたが、本当の情報は不足していました。
適切な解説書として、またどのうよに対処したらよいかという対策まで書かれた安心の一冊です。
筆者は九州大学理学部へ進み、早稲田大学文学部を卒業後、日本消費者連盟の運動に参加し、「消費者レポート」の編集にあたる。現在はフリージャーナリストとして「週刊金曜日」の執筆者のひとり。
話題作「買ってはいけない」の代表執筆者として名を馳せる。消費者・環境問題を中心に執筆、講演活動を続けている。常に消費者の側に立ち続ける姿勢に徹している。
自分と家族を守る方法として、「日本食の見直し」を中心にした〈台所革命〉を提唱している。
「豆はスーパー完全食品」「豆腐・味噌・納豆こそ、日本のスーパースター」と説く狂牛病対策には耳を傾ける価値有り。
「狂牛病と台所革命」
★著者・船瀬俊介・フリージャーナリスト
「自然流だし読本」ほか著書多数
★売価・・・・ 1,260円(税込み)㈱三五館
戦後の日本は、わずか50年でその暮らし方を激変させてきた。「文化」の名のもとに変えてきた価値観は本当に正しかったのか?「衣・食・住」すべての面にわたって棄ててきた「日本的なるもの」の西洋文明にない優れた民族の智慧を再確認させられる本です。
「青畳のイグサ」の懐かしい臭いに郷愁を覚える日本人はまだ残っていると思います。建築の近代化は畳を追いやり、現在は圧倒的に床はフローリング、内装は石油化学製品の建材にとり囲まれ、ハウスシック症候群の原因となっています。
安い中国産の畳表に翻弄されて後継者も少なくなった熊本県八代のイグサ農家が一念発起、有機栽培転換(キトサン農法)。そして、新しい用途の研究の末に、改めて驚かされた日本人の祖先の智慧のたくましさと深さ・・・。
イグサは畳だけでなく、建材、壁材、食材、薬材として甦った。
21世紀のエコロジー製品としてまさに「目からウロコ」という感動のレポート。
これぞ〈生活革命〉を提唱している。
(※イグサは「燈芯草」といわれる薬草で、中国の古い漢方薬学書には薬効が数多く記載されています)
★著者・船瀬俊介 フリージャーナリスト
★売価・・・・ 2,100円(税込)築地書館
お薦めの本-24『免疫革命』

免疫に関する話は、今まで専門書では一般人には少々難しくややこしいものがあった。今回、安保徹先生の書かれた本は、以前出版された一連の本に比べて素人にも分かりやすく書いてある。
先生の業績は免疫学において「白血球の自律神経支配の法則」や「胸腺外T細胞の発見」などという西洋医学としての業績だけでなく、「心の持ち方が体調をつくる」「食べもの大切さ」「身体を冷やしてはいけない」などといった東洋医学的な考え方にもとづき医療を提唱している点にある。東洋的な思考が未来の医学を開くと言ってるように、統合、全体(太極)を見ることによって、画期的な発見がなされたのではないかと思います。
ガンにしてもいわゆる三大療法・手術・抗ガン剤(化学)・放射線療法では治らないと大胆に宣言し、ガンの本当の原因はストレスと喝破しています。免疫療法による新しい治療法は本書の詳細をご覧下さい。本書は「究極の健康法は自然のリズムに乗って生きる」と、ガンや難病で悩んでいる方には心強い指針となるでしょう。
「免疫革命」
★著者・安保徹・新潟大学大学院医歯学総合研究科教授
★売価・・・・1,680円(税込み)講談社インタ-ナショナル
西洋医学の自律神経説は、交感神経と副交感神経とバランスを説き、東洋医学の陰陽論と似ているところがあります。 「爪もみ療法」は、難しい理論を抜きにして、誰でも簡単に出来る方法です。
もともと東洋医学(鍼灸治療)の刺絡という治療法をベースにして考えられた治療法です。手足の指の爪の生え際を挟んで揉むだけの簡単な方法です。この本は、日本自律神経免疫治療研究会理事長・福田稔先生が、安保先生の免疫理論を実際の治療に役立てる手法として着目し、応用したことを分かりやすく書いたものです。専門家(医師・鍼灸師)が行う刺絡療法と違い何も器具・道具が要りません。
痛みを伴う疾患ばかりでなく、不眠、耳鳴り、うつ、めまい、湿疹、ダンエット、イビキなどなかなか治りにくい病気も、自分の自律神経の働きを整えて治せるというものです。もちろん、糖尿病、潰瘍性大腸炎、膵炎などの難病にも効果があることが実際の臨床例で示されています。普段の健康管理法としても手元にあると便利な一冊です。
「爪もみ療法」
★監修・福田稔・ 日本自律神経免疫治療研究会理事長
★協力・安保徹・新潟大学大学院医学部教授
★売価・・・・ 740円(税込み)マキノ出版
お薦めの本-23『粗食のすすめ』『食育』

ご存じのように「粗食のすすめ」は大ベストセラ-本なので、何をいまさらと思われるかも知れません。つい最近、著者の幕内秀夫さんと、ある講演会後の座談会で直接話をする機会がありました。その結果、多くの点で共通の認識をもっていることが分ったが、この本のなかで強調されているのは、現代の食生活の問題点と戦後栄養教育の弊害に鋭く触れていることである。
現在、著者は「学校給食と子供の健康を考える会」の運動を推進している。幼児期の食体験、食育は人の一生を支配する最大の要因となる。その意味においてこの本をもっと多くの方々に読んで頂きたいと思い推薦申し上げる次第です。
★著者・幕内秀夫・茨城県生まれ
東京農大栄養学科卒・管理栄養士
★売価・・・・『粗食のすすめ』 476円(税別)文庫版・新潮社
「三つ子の魂百まで」という諺は、人が成長するときに、3歳くらいで食べた食事によって大脳にインプットされ、大人になってからの嗜好を決めたり、食べ物の味を判断するモノサシとなる大切な時期であることを示しています。
現代は、子どものアレルギー性疾患や肥満、小児成人病などが指摘され、小学校に入るまでの食生活が、その子たちの一生を決めかねない時期でもあります。
いま、若いお母さんたちに「子どもが偏食」「子どもが野菜を食べてくれない」などという事で悩んでいる方が大勢います。子どもの食事に悩んでいるお母さんたちに、本書は基本的に「子どもの食事は簡単!!」と、食育に関する考え方と智恵を授けてくれます。
現在言われている「栄養教育」の常識を問い直し、ヒトは「でんぷん」を食べる動物と、話を分かりやすく書いてあります。子どもたちの食事に関して、簡単なものを難しくしてしまう情報を整理し、誤った常識や情報から解放され、肩の力を抜いてお子さんの食事を考える良書です。
子どもにとってもう一つの大切な食生活「学校給食」についても、長年の著者の考え方が示され、給食を理解する上でも本書は役立ちます。
★著者・幕内秀夫・茨城県生まれ
東京農大栄養学科卒・管理栄養士
「学校給食と子供の健康を考える会」主宰
★売価・・・・『食育・明日からできる10の提案』 1,575円(税込み)かもがわ出版
お薦めの本-22『食の堕落と日本人』『醗酵の力』

世界中の人々の「気質」「気性」が国により異なるのは、その土地(国)で採れた食べ物を食べることにより形作られます。それゆえ、世界中の国家は農業を「国の基」として政策を推し進めています。しかし、日本の家庭には国籍不明の食があふれ、食の乱れは、個人の体の変調のみならず、社会の崩壊につながり、民族の存亡にかかわる重大現象と、本書は「農の視点」から警告してます。
「国を滅ぼすには、武器を使わなくても食を変えれば自然に亡ぼすことが出来る・・・」という戦後GHQ(占領軍)の謀略説ともいわれた政策(農地解放・米切り捨て策)に乗って進められ60年が経ちました。今、日本の農業は息絶え絶えとなり、食料自給率はエネルギー換算で30パーセント台の危機的な状況にまで下がっています。
醸造家に生まれ、農学を学んで子弟に「日本の食」を教える著者が、醗酵(微生物学)を通して日本の農業再生の道しるべを示し、「医食同源」を説き、食生活の変化による民族の遺伝子が危うくなっている現状に警鐘を鳴らします。そして、正しい「食事学」が日本および日本人を救うとも説いています。
農・水産業は国の生命維持産業と位置づける主張に、今こそ国民一人一人が、真剣に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。
★小泉さんは箸を持った憂国の士です。
この本は、肉となり、骨となり日本を支える精神になります。僕は小泉さんと同じものを喰って、同じウンコをしたい思っています。・・・・永 六輔
『食の堕落と日本人』
★著者・小泉武夫
東京農業大学教授・醸造学、醗酵学専攻・農学博士
★売価・・・・ 1,575円(税込み)東洋経済新報社
普通の日本人なら毎日食べるであろう味噌、醤油、納豆、漬け物、かつぶし、酢などや左党の好きなお酒などは日本の醗酵食品を代表する食べ物です。福島県の酒屋の伜である小泉先生が、専門の醸造、醗酵についてわかりやすく蘊蓄を語った一冊です。
日本食の醗酵技術は世界に冠たるものですが、意外と日本人が知らないで外国から注目されている技術が沢山あります。にもかかわらず日本は食料輸入大国で食べ物を作らない国になってしまいました。個々の醗酵食品に関する章も興味深いことが書いてありますが、醗酵技術が日本の食料事情の改善、再生に役立つ展望が示されて、「温故知新」ふるきをたずね、新しきを知る本といえます。
『醗酵の力』
★著者・小泉武夫・東京農業大学・醸造学、醗酵学専攻・農学博士
★売価・・・・872円(税込み)NHKライブラリー