『地球温暖化論に騙されるな!』『ほんとうの環境問題』
このところ世界は金融や経済の大動乱に関心が行っているせいか『地球温暖化論』は鳴りをひそめている感じがする。両書の著者に共通するのは、地球科学や生物学、医学、環境学の立場から現在喧伝されている『地球温暖化論』のウサン臭さを批判している点である。
確かに短いスパンでの現象を見ていると『地球温暖化』はどんどん進行しているように見える。しかし、長いスパンの地球科学のモノサシでみると現代は、氷河期の中の間氷期という時期にあたるそうである。まして「二酸化炭素犯人説」にもとづき温暖化元凶の主犯として「炭酸ガス」の排出量の過不足を売買して調節し、炭酸ガスを減らそうなどというビジネスは最もうさん臭い。
提唱者は、クリントン時代の米国副大統領だったアル・ゴアである。彼のベストセラー「不都合な真実」が、喧伝媒体となり彼は昨年のノーベル平和賞まで受賞した。しかし、マスコミによって私邸の電気料が毎月60~70万円も浪費されていることが暴露されひんしゅくを買った。米国金融資本側の出身者である人の提唱する「炭酸ガス排出権売買」などというビジネスモデルは、現在世界を恐慌に陥れているサブプライムローンと同質のものを感じる。
政治やビジネスに利用されている感がある『地球温暖化論』ではあるが、池田・養老、両先生は、環境問題や温暖化について、エネルギーと食料や人口問題など、本当の環境問題はどの視点から考えたらよいのかという事を提唱している。とかくマスコミなどの情報に流されてしまいそうになるとき、温暖化問題でも「陰陽・表裏」いろいろな角度からの見方があることを知っていることは重要である。その意味でも本書は充分に的確な理論と論調で書かれている。いろいろな情報を複眼視する力がつく格好の参考書であると考える。
●『地球温暖化論に騙されるな!』
★著者・丸山茂徳
東京工業大学大学院教授・1949年徳島県生まれ。地質学者で専攻は地球惑星科学。地球マントル対流運動の新理論に日本地質学会論文賞、紫綬褒章。
★定価、 1,400円(+税) 発行・講談社
●『ほんとうの環境問題』
★著者・池田清彦(早稲田大学国際教養学部教授・生物学、環境問題関連の著書多数)
・養老孟司(東京大学医学部名誉教授・専門は解剖学で「からだの見方」「バカの壁」など著書多数)
★定価、 1,000円(+税) 発行・新潮社
