『台所重宝記』

daidokoro-400.jpg

「お勝手」とか「台所」という言葉が日常的に使われなくなっているが、また「重宝」(ちょうほう)という言葉も同様に思える。重宝するとは、情報を便利に役立てることだが、本書は明治38年の初版であるから102年前に刊行されている。著者の村井弦斎は当時の報知新聞(読売新聞の前身)に連載小説を書いていた明治大正時代のベストセラー作家である。百年以上前の著作物にもかかわらず『温故知新』(古きをたずねて新しきを知る)という「食」に関する知識と智恵の豊富な内容で、啓蒙的な読み物である。

現在の主婦で、当時の食に関する知識や鑑識眼を常識として知っていた主婦に匹敵する人がどれくらいいるだろうか。現代の食生活は加工食品などは指で袋の封を切ればすぐ食べられるから味気ないものになっているが、食べ物の知識があれば、そこへ一工夫加えて食べると美味しく食べられる。

例えばご飯を炊くにしても、いまはマイコン付の炊飯器で炊けば誰でも同じに出来ると考えられるが、お米の見分け方、つまり古米、新米、米粒の大小、撞き方の違い、お米の研ぎ方の違い、水の分量割合などを勘案して炊けば全く違う味に炊ける。炊飯器のマニュアルは、標準的な炊き方であるから、お米の見分け方を知って炊飯器にかければ炊きあがりも違うのは道理である。

本書は、漬物のこと、味噌、醤油、酢、みりんなどの調味料の良し悪しの見分け方、野菜、果物、卵、肉・魚などの良否の鑑別法、魚の匂いなど、これを知っていたなら主婦として一人前であり、主婦としてプロであると思う。いまは庖丁、まな板がなくてもデリカでお惣菜が売られ、袋入りの加工食品を買えば済ませられる時代だけに尚更である。

本書は、食べ物だけでなく暮らしに必要な知識、料理道具のこと、衣類の染み抜き、掃除、洗濯のこと、食べ物と体の仕組み、料理暦(旬の食べ物、食べ方)など、人の暮らし全般にわたっている。もちろん時代の違いによって現在では使われない道具の知識などもあるが、それに数倍するお役立ち情報が満載である。また、主婦に限らず一般の人が読んでも面白い実用的な教養書といえる。


★『台所重宝記』----村井米子 編訳----

★著者・村井弦斎
1863~1927年、三河の国(愛知県豊橋市)に生まれ、東京外国語学校ロシア科中退。ロシア、アメリカに渡り、帰国後小説を書き、新聞連載小説で大ベストセラー作家となる。
★売価・ 1,200円(+税) 発刊・平凡社


東洋医学(鍼灸・気功・食養・漢方薬)臨床経験30年の筆者の体験をもとに、 毎日を健康に暮らすための、お役立ち情報をお伝えいたします。

お勧めの本

『日本は世界5位の農業大国』

『動物の食からみる現在の食生活へのヒント』

『奇跡のリンゴ』

『みその本、みその料理』

『塩の文明誌』

『日本のお米、日本のご飯』

『9割の病気は自分で治せる』

『ぬれマスク先生の免疫革命』

『落語家はなぜ噺を忘れないのか』

『日本の食は安すぎる』

『野菜が壊れる』

『まいにち玄米ごはん』

『人間の覚悟』

『娘につたえる私の味』

『七日市藩和蘭薬記』

『食べ方上手だった日本人』

『生活防衛ハンドブック』

『地球温暖化論に騙されるな!』
『ほんとうの環境問題』

『あぶない二ッポンで安全に暮らすためのヒント100』

『メタボの罠 病人にされる健康な人々』

『若杉友子の野草料理教室』

『からだが変わる! 「きくち体操」』

『冷蔵庫で食品を腐らせない日本人』

『永田農法で作るベランダ・屋上菜園』

『活性酸素と野菜の力』

『HSPが病気を必ず治す』

『台所重宝記』

『普通の家族がいちばん怖い』

『あと3年で世界は江戸になる!』

『じょうぶな子どもをつくる基本食』

『赤ちゃんの生命のきまり』

『巨大地震が原発を襲う』

『ニームは地球を救う』

『うつぶせ寝健康法』

『これだけで病気にならない』

『きものという農業』

『食品のカラクリ』

『陰陽重ね煮クッキング』

『間違いだらけの診断基準』

『マイナスイオンでよみがえる健康』

『日用品が毒になる・経皮毒』

『料理の常識』

『かしこい赤ちゃんの育て方』

『食品の裏側』

『生命力死命力』

『生きて死ぬ智恵』

『いのちと塩・韓国版』

『新・生命の創世記 いのちと塩』

『究極の免疫力』

『早く肉をやめないか?』ほか

『免疫革命』

『粗食のすすめ』『食育』

『食の堕落と日本人』『醗酵の力』

『赤ちゃんの進化学』

『北の料理人Ⅰ』『北の料理人 Ⅱ』

『我的上海』

『百歳をすぎてもすごい生きる力』

『おじいちゃん日本のことを教えて』

『環境学講義』

『神道と日本人』『神道見えないものの力』

『日本人の清潔がアブナイ』

『梅暦・梅料理』

『坐のはなし』

やっぱりあぶない電磁調理器

もったいない

養生の実技

ゼロからの免疫力

歯科医療が日本を変える

塩で暮らすナチュラルライフ

世界を変えるお金の使い方

おいしい野菜

いのちを支えるスープ

食の匠たち

宮内隆平さん

渡部綱善さん

鈴木道朗さん

萩原恒男さん

尾島良治さん

村上元彦さん

南雲成次さん

池田隆二さん

生方彰さん

乗松祥子さん

貫田桂一さん