『歯科医療が日本を変える』 【 お勧めの本 】
いくつか読んでいるメルマガの中に参議院議員で医師の桜井 充さんという方が送って下さるものがあります。面識は全くありませんが、まだ49歳ということだから、政治家としては若手の部類ですね。しかしながら、メルマガによるその活動報告は専門の医療問題に限らず、中小企業の金融円滑化に関するテーマなどにも取り組んでいるとのことです。
その中で医師でありながら、特に力を入れて取り組んでいるテーマに歯科医療政策がある。私も、腰痛や膝痛ばかりでなく内臓疾患の患者さんにいたるまで、顎関節や、頸椎のズレやゆがみの相関関係をいつも診ているから、桜井議員の「歯科医療を変えることが医療費を減らすことに繋がる」という主張は、とても良く理解できます。
ですから、キパワーソルトで歯磨きを励行することを私も推奨しています。その意味するところは、年をとっても自分の歯で食べることがとても大切なことであると、本書でも多くの例を挙げられています。
なぜ歯科医療の充実が医療費を削減するかというと、将来、老人医療における痴呆症(最近は、認知症となったが、本書ではまだなじみがないということで旧来の呼び方を踏襲している)の医療費増大が予想されています。
しかしながら、北海道学園大学の研究室の報告では、義歯スコア、つまり入れ歯が合っていない不良群の患者さんの痴呆の割合は75%であり、入れ歯が合っている、良好群の患者さんの痴呆の割合は45%ですから適切な歯科医療で入れ歯の入っている人の方が、痴呆の割合の少ない事が分かります。つまり、高齢化社会だからこそ、歯科医療が重要という主張です。
東北大学の渡辺誠先生の報告では、自分の歯が多ければ多いほど痴呆が少ないというデータを報告しています。本書の中で高齢者医療のあり方を学ぶべきという広島県・御調町(みつぎまち)の在宅老人と寝たきり老人の割合を示したものがあります。昭和55年当時、寝たきり老人の割合は4%くらいでした。ところが今は在宅老人の数が増えたにもかかわらず、寝たきり老人の割合は1%、ということです。この町の取り組みは、一言でいえば病院の先生が、寝たきりの方を作らない努力をしたということですが、その中で歯科医療との取り組みも相まってということでした。
また、歯科医・藤井先生のビデオでは、痴呆症で車椅子だった患者さんが、その方に合った入れ歯を入れた瞬間に立ち上がることが出来た感動的なシーンだそうです。そして、口唇の付随運動(口のモグモグ)や歩行、 痴呆さえも徐々に改善し、名前も忘れていた人が2カ月後には時計の時間を言えるようになったことです。
とかく、一般の国民には分かりにくい医療制度や、さらに無関心とまでは言わないにしても非常に分かり難い歯科医療制度について、とても分かりやすく堅苦しくなく書いてあります。また政治家ならではの医療と政治の関係にも触れ、著者の政治家としての真摯な姿勢をうかがい知ることが出来ます。また、児童虐待問題のケアと歯科医療など、その他幅広い政治活動の観点から種々解説されています。ご自分の健康問題と相関して参考になる一冊としてお薦めです。
発行・桜井充とともに明日の歯科医療を考えるネットワーク・定価500円 お問い合わせは、 E-mail:mitsuru@dr-sakurai.jp
