『世界を変えるお金の使い方』
今の日本では100円の使い道は「何も買うことができない」とか「小学生のお小遣いにもならない」とかいわれそうな金額ではありますね。この本では東京大学生産技術の山本良一教授が、責任編集をして環境保全と社会のさまざまな問題の解決のため、お金をどのように使えばよいかを示した本です。
つまり、お金をどのように使えば地球の為になるかを示した本です。1秒という時間の間に地球は人口増加2.4人(年間7,700万人)、炭酸ガス排出量760トン、大気中の酸素減少量710トン、地表の平均温度上昇は年換算0.053℃、グリーンランドの氷の溶解量1600トン、中国の砂漠拡大面積78㎡など1秒1秒地球は劣化しています。
近代の科学技術や資本主義市場経済は私たちの生活に大きな恩恵をもたらした反面、地球環境という公共財を勝手に利用して来たツケがいま回ってきています。お金は万能ではなく、お金で何でも解決できるはずもないが、使い方によっては世界を変える原動力になることを示唆しています。
例えば、100円で「予防可能な感染症の中で、死亡率が高く、手足に重い後遺症をのこすポリオから、ミャンマーのこどもを5人守ることが出来ます」例えば、「内モンゴルのホルチン砂漠に植えるポプラの苗木が10本買えます。大切に育てれば、 それはやがて10mのポプラ並木へと変わります」
例えば「聴導犬の訓練1日のごほうびがまかなえる」例えば「戦乱が続いたアフガニスタンの子ども5人に教科書が提供できる」などなど100円の重みを教えてくれます。 そして、それらに関したNPOやNGOなどアクションの入口も書いてあります。
日本でも色々な環境・食料問題があるが、千葉県鴨川市にある棚田「大山千枚田」の支援オーナー募集の紹介がされています。これは、年間3万円前後の「棚田オーナー」となり、秋には収穫したお米を頂くものだが、休耕地や荒廃地が増えている現在、無くしてしまったら復活がほぼ絶望となる棚田のを守る運動の一環です。 日本の原風景ともいうべき美しい景観と稲作に都会の人たちが参加することにより、 田圃のもつ環境力と食料問題の保持という点から大切なことと思います。
キパワーソルトに関しては、世界人口の内1割の人たちの生活と密接につながっている黄海の生態系と豊かな漁場をまもるNGOが紹介されています。 中国と朝鮮半島に囲まれた黄海は漁業資源に恵まれ、日本も黄海の海産物を大量に輸入・消費している関係で、決して無縁ではありません。しかし、近年は開発に伴う埋め立てや干拓で広大な干潟の多くが失われてしまいました。世界自然保護基金では、日本・韓国・中国の科学者と連携し、黄海の生態系保全に乗り出しています。漁業ばかりでなく塩田も環境保全と非常に密接な関係がありますから、身近に感じる問題です。
発行・ダイヤモンド社・定価1,260円
