『おいしい野菜』
いま消費者が求めているのは、食べ物の安全性についてであることはいろいろアンケートや調査の結果からして一番関心の深いところですね。野菜も輸入が増え、生野菜もそうですが、いま漬物や加工食品としての野菜のほとんどは原料を輸入に頼っています。その場合問題になるのは、やはり安全性でしょうね。
本書は国内でおいしい野菜、つまり安全(無農薬・無化学肥料またはそれに近い農法)で栄養に冨み、新鮮であるなどの条件を満たした生産者を紹介したものです。
消費者として安全な野菜を選択する国の目安「有機農産物」=有機JASマークがあります。しかし、農家からいうと認証を受ける手続きが面倒であったり、経費がかかったり、メリットの余りない制度なので、本当に良いものを作っている小規模な農家は、認証を受けなくても十分消費者に支持されている場合、取らない農家も多々あります。私が以前、硝酸塩チッソの残留試験をしたとき、有機JASマークの野菜で「?????」というのがありましたから、認証があるから完全に信用できるという事でもありませんね。
本書に紹介された生産者は北海道から東北、関東、関西、四国、九州、沖縄におよんでいる。生産者・生産地を表示した他、扱っているお店や入手方法も書いてあるから、消費者にとって便利ではあります。本書に載っている生産者の畑や、作物は、ある方法によって診断したところ「気」(Qi)のレベルは高いほうなので推奨に値します。安心してお求めになれる生産者であり作物です。
本書では「在来品種」の記事がありましたが、良い野菜を作るときに、余り消費者の知らない問題点は、「種戦争」のことですね。以前から農産物の種は世界的なアグリビジネスが支配に乗り出し、遺伝子組み換え作物などは、その戦略上の路線の上にあります。
編集の目的外なのかわかりませんが、伝統的な農業を守る場合のひとつ問題点ですから、もう少し掘り下げの欲しいところです。
野菜には関係ないところで巻末には、野菜を保存、料理するということで冷蔵庫などが紹介されています。そこで「フードプロセッサーを知らないのは不幸」などという小見出しや記事は頂けませんね。包丁で刻んで料理したものとの違いが分別できないのは、料理を実際したことがないか、料理の味がわからない人のいうことで、いささか味覚神経に問題があるのではないでしょうか。
道具は使う目的、使い方があることを吟味すべきでしょう。IH調理器に関しても同様で、まだ評価がいろいろで定まらないものについては、一般誌ならともかく取り上げることに編集者の見識について一考を促したいものです。
シリーズ第一号ということですから、今後の編集内容を注目していきたいと思う一冊です。発行所・㈱ワールドフォトプレス・定価1,200円(税込)
