東洋医学(鍼灸・気功・食養・漢方薬)臨床経験30年の筆者の体験をもとに、毎日を健康に暮らすための、お役立ち情報をお伝えいたします。

医食同源お薦めの本-55 若杉友子の野草料理教室

wakasugi-400.jpgこの本の著者・若杉友子さんは、どこにでも居そうな田舎のおばぁちゃん。20年前までは、静岡で料理教室を主宰していたそうですが、「口にするものは、自分で・・」という思いが募り、京都・綾部へ移り住んで11年、摘み草と料理教室で自給自足に近い生活。内容を見ただけで、経験の豊富さと実践を通しての智恵の深さを感じる本です。

また、編集を担当したのが、料理教室で学んでいた二組のご夫妻が中心となって、いわば素人に近い方達がまとめたものですが、非常に見やすいレイアウトで、写真もプロにはない生活感があふれたものになっています。食料輸入大国である日本は、いままで世界中からお金さえ出せば必要量はまかなえるという考え方でしたが、時代は間違いなく転換しました。お金を出しても食料が買えない事態が当たり前の時代がやってきます。地球上には黙っていても毎年8千万人づつ人口が増え、10年経つと8億人分の胃袋が増えるという事です。食料生産の伸び率はもう限界に来ていることが国際機関でも論じられています。

戦争がなくても飢餓の時代が来るかも知れない情勢です。日本ではわずか60年前に戦中・戦後の食料難時代がありました。その頃の日本人は生きるために山野の豊かな恵みを活かす智恵を身につけていました。日本は幸いなことに四季の移ろいがはっきりして、植物の再生産性が高く、季節ごとに豊かな自然の恵みがあります。しかし、それを活かす智恵が無ければ宝の持ち腐れです。

野草は別に田舎でなくて都会でも気をつければいくらでも採集できます。河川の土手や、公園、空き地、自宅の庭など。もちろん里山や川の流れる田舎では野草の宝庫です。しかし、それを上手に処理して食べるには、知識が必要です。

本書をお奨めするポイントは、山野草の見分け方、料理はもちろんですが、料理の基本、ご飯の炊き方でも今まで気がつかなかった「ハッ」とするような事が書かれています。もち草(よもぎ)は、応用範圍の広い野草ですが、これほど色々な利用法があり、またこんな料理に使えるという経験と知識は、これ一章を読むだけでも価値があります。

山野草だけでなく普通の野菜、ソラマメ、タマネギ、ジャガイモ、キャベツ、インゲン、春菊などの料理のポイントが確り書かれています。また、調味料の塩、醤油、味噌の上手な使い方と、料理レシピの豊富さは、山野草に初心者でも充分わかりやすいものです。家庭に一冊、座右書としてお奨めです。


★『若杉友子の野草料理教室』

★編者・若杉友子の本をつくる会・高草洋子
★売価・ 1,429円(+税) 発行・ふーよよ企画


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