医食同源お薦めの本-54 からだが変わる! 「きくち体操」

人は誰でも年をとると体が固くなって来るものですが、当院のような所へ来る腰痛や膝痛の患者さんの95%は足指と足首の関節が固くなっています。擦診のために足の指をはさむと大抵の人が「痛てテテッー」とか「ギャーッ」とかの反応を示します。老化は低体温だけでなく、体が固くなることによって拍車をかけます。本書は女性にもよろしいのですが、最近とみに体が固くなった=老化が進んでいると、お思いの「お父さん」にお奨めの本です。
「こんな簡単なことが」と思っていた事が出来ないで愕然とすることがありますが、特に関節や筋肉は意識して動かさないと老化のスピード早まるばかりです。著者は体育短大から体育教師を経て「きくち体操」を創作したそうですが、手を動かすことで上半身が活性化するという考えから、手の小さな関節の運動から始めています。
試してみると、手の動きも最初は思うように動かないことを思い知らされます。気功の中に、「大手印功」(タースーインコン)という手指を様々に組み合わせて、いろいろな病気に効く気功があります。これとて、一番基本の指の組合せも、最初は指の関節が痛くて、とても指が組めません。手指、足指に限らず、指先は全身の筋肉と連動していることが鍼灸の「経筋療法」には説明されている通り、「きくち体操」が手指の運動から始めているのは正解です。普段、PCのキーボードを叩いたり、ピアノを弾くにも全身の筋肉を使っていることをほとんどの人は気がつかないだけです。
手の運動から、足の運動、背・腹の運動、脚・股関節の運動、首・顔の運動と順番にこなして行くと、従来のラジオ体操のようなイメージと違って体が急速に変わって行くのを感じることが出来るでしょう。著者の教室の写真には、大きな「筋肉経絡図」が貼ってあるところを見ると、東洋医学の知識もあるのではないかという気がします。
運動するところの手指、足指や、動かす筋肉・関節を意識するという言い方は、気功の「意念」と似た考え方です。気功と同じに無理な力を入れず、リラックスして動き、また「操体法」のように動かして「楽」に感じる方向へ数多く動かすように付け加えるならば、効果はさらに上がることでしょう。
低体温化が進んでいる現在、若い人でも体が固くなっている人は大勢います。老若を問わず、本書で動きを試してみて体の老化を知るバロメーターにもなります。そして、毎日少しづつでも実践するならば、「体は変わることが出来る」ということを実感されると思います。
★『からだが変わる! 「きくち体操」』
★著者・菊地 和子
日本女子体育短期大学卒、体育教師を経て「きくち体操」創作教室主宰。
日本ホリスティック医学協会会員、湘南平塚看護専門学校講師。
★売価・ 800円(+税) 発刊・廣済堂