東洋医学(鍼灸・気功・食養・漢方薬)臨床経験30年の筆者の体験をもとに、毎日を健康に暮らすための、お役立ち情報をお伝えいたします。

医食同源お薦めの本-44 巨大地震が原発を襲う

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「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」ということわざがありますが、毎日目まぐるしく移り変わる世の中の出来事に、2カ月経つと「新潟県中越沖地震」災害の風化が懸念されるほど人々の記憶から遠ざかろうとしています。

そんな折り、知人の船瀬俊介さんがしばらく沈黙を守っていると思ったら、『巨大地震が原発を襲う』という本を出版したことを知りました。ちょっとオーバーな題名では? と思って購入して読み始めましたが、内容は彼らしい確りした取材と裏付けを以て書かれていることが分かりました。原発については普段から懸念し、危惧の念を抱いていたことが本書によれば、実はもっと深刻かつ切迫した状況にあるということなのです。

今から21年前、1986年の「チェルノブイリ原発事故」といえば私たちの記憶から遠ざかってしまっています。「チェルノブイリ原発事故」は、人類史上最悪の事故といわれる惨劇ですが、被災者約700万人、汚染地域に住む被災者は今も約500万人。原発から30キロメートル圏内の116,000人を含む約40万人が郷里を追われました。そして今も多くの人々がガン、白血病などの後遺症に苦しんでいます。この20年の間に甲状腺ガンの発症率は、ウクライナで約10倍、ベラルーシで約20倍に跳ね上がりました。


当時、ソ連政府(ソ連は崩壊し現在はロシア)とIAEA (国際原子力機関)は、従業員の操作ミスと発表し、次いで構造欠陥が原因と発表しました。それが長い年月にわたり公式見解として世界中に流されました。ところが、1999年4月『新イズベスチャ』紙のトップには「チェルノブイリの激震---学者たちは認めている・大惨事の原因は地震だった」というものでした。それは、ロシア科学アカデミー(地球物理学研究所)とウクライナ科学アカデミー(地球物理学研究所)が合同で長い年月をかけて独自の分析を行ったもので、その最終報告論文が科学誌「地球物理学ジャーナル」に発表されたのです。

結論としては「事故を起こした第四号原子炉直下で、事故直前16秒前に地震があり、その揺れで制御棒が挿入不能となり爆発に至った」という衝撃的なものです。さらに、科学アカデミーの研究者たちの奮闘を伝える映像が、デンマーク国立放送局で制作した『チェルノブイリ原発の隠されていた真実』というドキュメンタリーで放送されていたのです。

本書の書き出しは、このような事から始まっていますが、それがどうして日本の原発事情と関わっているかというのは、同時期、地震国日本では多数の原発設備が導入され、それによって莫大な利益を得る世界的巨大産業があり、「チェルノブイリ原発事故」が地震によるものではあっては困る事情がありました。また、世界でも原発が地震に弱いことが科学的に証明されると、その推進に支障をきたすからでした。当時、その眞相の隠蔽工作をしたのが、ソ連の秘密警察KGBとIAEA (国際原子力機関)との密約でした。

21年後の今年7月16日、「新潟県中越沖地震」が発生しました。その時、柏崎刈羽原発が直撃されたのですが、一般紙での一連の報道があった通り、「危機管理マニュアル」のいい加減さ、対応のずさん、不徹底、その後の事故隠し隠蔽体質の露呈、怒りをこめた新潟県知事の「原発安全要請」などが連日流れていました。そして、京都大学原子炉実験所・小出裕章氏は「チェルノブイリ原発事故に匹敵する事故が起きてもおかしくない危機一髪の状況だった」と証言しています。

本書は、柏崎刈羽原発の他、日本全国に55カ所も立地する原発の問題点を浮き彫りにしています。電気はインフラ(社会基盤)という名目のもとに、原発の危険性は一部の人々しか関心事ではありませんでした。しかし、本書を読むと、無知、無関心では済まされないものを感じます。詳細は是非本書をお読み頂きたいと思い推奨する次第です。

★『巨大地震が原発を襲う』----チェルノブイリ事故も地震で起こった----

★著者・船瀬俊介 (独立系フリージャーナリスト)

★定価、 1,900円(+税) 発行・ 地湧社


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