医食同源お薦めの本-41 これだけで病気にならない
東洋医学には「病は口より入り、禍は口から出る」ということわざがあります。ふつう口から病が入るというと、食物の選び方や摂り方が悪いために病気になるので、食べ物を正すということが治病につながると考えがちです。
すでに何回か紹介していますが、この本の著者・西原克成先生は、口腔外科が専門ですが、系統発生学という全く違った切り口から病気の原因と治し方を追求してきました。
「顔と口の医学」という言い方で、すべての病気は口から始まり、口呼吸と噛まない食べ方(丸呑み込み)と冷たいもの中毒に始まり、すべての病気は顔に現れる。顔色は内臓腸管系の細胞呼吸の状態を表し、表情は心と精神状態を表す・・として新しい免疫学を提唱しています。
その考え方や診断法は、東洋医学と共通したものがあります。平安時代、中国から漢方医学を導入した当時、日本でも「口中医」という制度がありました。まさに「顔と口の医学」という病気の本質をとらえた医療をしていました。中国医学では、西洋医学の耳鼻咽喉科のことを五官科といいますが、耳鼻咽喉の直接的表現より五官科のほうが物事の本質を上手く表現しているように思えます。
俗にいう難病、いま国で指定しているのは、難治性疾患克服研究事業(調査研究対象:123疾患)と、特定疾患治療研究事業対象疾患(45疾患)とがあり、その中には「筋萎縮性側索硬化症」「重症筋無力症」「ベーチェット病」など聞いたことのある病名もあると思います。
一見難しい病気もつきつめて行くと共通原因として「顔と口の医学」というところへ突き当たります。現代医学は、その視点が抜けているために新薬、新薬の追求や、手術方法の新開発、患者にとって過重負担の治療法(放射線療法など)等、的外れの方向へどんどん流れて行っている感がします。
だとしたら、この本の提唱する『鼻呼吸にする』『片側噛みをやめる』『腸内細菌を善玉菌にする』『寝相をよくして骨を休ませる』『冷たいものを食べない』という五つの条件は、簡単であらゆる健康法の本質を突いたものです。
本書を読むと、その医学的理由や理論がよくわかりますが、今までの著書は、一般の方が読むには少々難しいのが欠点でした。本書はその点かなり改善されてやさしく書かれています。
また、本書を読むと「キパワーソルトのうがい」がいかに合理的で効果的な方法であるか納得のいくことと思います。新書判で電車などの車中でも簡単に読めますから、必携、必読の一冊と思い推奨いたします。
★『これだけで病気にならない』---口と顔の医学---
★著者・西原克成
(医学博士・東大医学部口腔外科教室講師を経て、現在、西原研究所長・日本免疫治療研究会長)
★定価、 740円(+税) 発行・祥伝社