お奨めの本35-日用品が毒になる・経皮毒

アレルギーという疾患が社会的に認知されてから、もう随分長い時間経ちますね。今から30年~40年前、高度成長時代に「合成洗剤」使われている界面活性剤の毒性の問題や、洗剤の助剤であるリン酸塩で「富栄養化現象」がおこり日本各地の湖や沼が汚染されました。そして食品添加物の問題、農薬の問題、そして企業犯罪(公害)と、その頃から「アレルギー」が社会的疾患として言われ始めましたが、現在でも一向に減る気配はありません。
それどころか、以前に増して患者さんや悩んでいるお母さんや赤ちゃん、若い女性などどんどん増えているのが現状ではないかとおもいます。その原因としてはアレルギーを起こすアレルゲンの種類がますます増えているからではないでしょうか。その後、化粧品アレルギー問題、ハウスシックの問題、花粉アレルギーなど、ヘアーカラーが当たり前になったこんにち、美容師さんの間ではパーマ液、ヘアーカラーなどで職業的疾患が起こることは私も数多くみています。
ですから、昔のように各製品毎に取り上げていては間に合わず、「経皮毒」という括りで表現しないと把握できなくなったといのが実情ではないでしょうか。著者の稲津先生は、化学物質の毒性に関する専門家として、「経皮毒」という概念を思いついたのではなかろうかと推察できます。
「経皮毒」の原因とるなる商品は以前より、種類が増え、しかも製品の作り方、成分の表示方法だけでは、なかなか見分け難いものが多くなっています。身近な日用品だけに「つい、ウッカリ」という事もあり得ますね。洗濯用洗剤、歯みがき剤、シャンプー、ボディシャンプー、台所用洗剤、リンス、入浴剤、ウエットティッシュ、お尻拭き、マウスウォッシュ、各種の化粧品、ホコリやダニ、ペットの毛や糞、花粉、アクセサリーなどの金属接触によるもの、入れ歯素材、特に毒性の強いのはパーマ液、ヘアーカラーなどと、著者は警告しています。
これらの有害物質は体内で活性酸素を作る因子となり、健康破壊へと繋がります。わたしたちの生活が便利になる反面、その引き換えにマイナスになる影の部分を確り見極め、商品を選択する智恵が必要となってきます。世の中には毒になるものは沢山出回っていますが、日用品については本書を参考にして、安全のアンテナを張り巡らせる一助になればと思い推奨いたします。
★著者・稲津教久(薬学博士)
★定価、 1,365円(税込) 発行・日東書院