お薦めの本-28 『新・生命の創世記 いのちと塩』
2005年11月末、医学博士・佐藤稔先生と塩研究家・佐藤秀夫氏(上田秀夫ペンネーム)との共著「新・生命の創世記 いのちと塩」の韓国語版が発刊されました。
実は、キパワーソルトは、原産地が韓国でありながら韓国では売っていませんでした。ですから、韓国の方は日本でキパワーソルトを買っているという現象が見られました。
なぜなら、キパワー株式会社は日本の法人で、製造元清水食品㈱も、その子会社ですから、韓国では販売していなかったのです。
韓国でも唯一、-150ミリボルトという還元力のある塩を開発する過程で、古代伝承・塩田製法焼塩の価値を認め、研究して、世界一の優秀な塩であることを韓国の行政、研究機関、大学等へ訴え続けて来たのが、キパワー株式会社社長でもあり、塩研究家の上田秀夫その人でした。
自国の伝承技術やその文化的価値について、地元では意外と気づいていないという事はままあることです。それは、京都の桂離宮が、建築家ブルーノ・タウトによって世界に紹介され、絶賛されるまで、その価値に気づかなかった事と共通しています。
その気づきのキッカケとなったのが2001年に発刊された「新・生命の創世記いのちと塩」と思います。今回の韓国語版には、その後4年間に蓄積した新しい知見が数多く盛り込まれています。今回のデータの中で、数少なくなった世界中の塩田塩の中で、一番良質の塩であることを証明してくれたのは、図らずも財団法人・塩事業センター(旧専売公社)の世界最高分析技術による「データブック」でした。
世界に残された数少ない塩田に共通する事は海水汚染による環境問題です。塩田が存立しない海は、魚や人も住めない地球環境になるという事です。環境問題も含め事の重大さに気づいた韓国政府も塩田の見直しと保護育成に乗り出しました。地元の木浦大学(モッポ大学)にも「塩生命科学研究所」が発足しました。
この本の出版には、全羅南道知事の推薦文、木浦大学学長の推薦文という異例なことまで起きています。多くの韓国人も知らなかった塩田塩・古代製法の焼塩について、本書によってその価値が広まって行くにちがいありません。
面白いことに本書では、日本の伊勢神宮「御塩焼神事」まで紹介され、塩を焼くというのは、神代の時代から古人の共通した認識であることを記しています。日韓それぞれの食文化における共有財産として、塩田塩の古代伝承焼塩は守り続けて行きたいものです。
地元韓国内において、塩の情報・知識の啓蒙に大きな力を発揮する一書ではないかと思い紹介する次第です。
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