お薦めの本-22『食の堕落と日本人』『醗酵の力』

世界中の人々の「気質」「気性」が国により異なるのは、その土地(国)で採れた食べ物を食べることにより形作られます。それゆえ、世界中の国家は農業を「国の基」として政策を推し進めています。しかし、日本の家庭には国籍不明の食があふれ、食の乱れは、個人の体の変調のみならず、社会の崩壊につながり、民族の存亡にかかわる重大現象と、本書は「農の視点」から警告してます。
「国を滅ぼすには、武器を使わなくても食を変えれば自然に亡ぼすことが出来る・・・」という戦後GHQ(占領軍)の謀略説ともいわれた政策(農地解放・米切り捨て策)に乗って進められ60年が経ちました。今、日本の農業は息絶え絶えとなり、食料自給率はエネルギー換算で30パーセント台の危機的な状況にまで下がっています。
醸造家に生まれ、農学を学んで子弟に「日本の食」を教える著者が、醗酵(微生物学)を通して日本の農業再生の道しるべを示し、「医食同源」を説き、食生活の変化による民族の遺伝子が危うくなっている現状に警鐘を鳴らします。そして、正しい「食事学」が日本および日本人を救うとも説いています。
農・水産業は国の生命維持産業と位置づける主張に、今こそ国民一人一人が、真剣に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。
★小泉さんは箸を持った憂国の士です。
この本は、肉となり、骨となり日本を支える精神になります。僕は小泉さんと同じものを喰って、同じウンコをしたい思っています。・・・・永 六輔
『食の堕落と日本人』
★著者・小泉武夫
東京農業大学教授・醸造学、醗酵学専攻・農学博士
★売価・・・・ 1,575円(税込み)東洋経済新報社
普通の日本人なら毎日食べるであろう味噌、醤油、納豆、漬け物、かつぶし、酢などや左党の好きなお酒などは日本の醗酵食品を代表する食べ物です。福島県の酒屋の伜である小泉先生が、専門の醸造、醗酵についてわかりやすく蘊蓄を語った一冊です。
日本食の醗酵技術は世界に冠たるものですが、意外と日本人が知らないで外国から注目されている技術が沢山あります。にもかかわらず日本は食料輸入大国で食べ物を作らない国になってしまいました。個々の醗酵食品に関する章も興味深いことが書いてありますが、醗酵技術が日本の食料事情の改善、再生に役立つ展望が示されて、「温故知新」ふるきをたずね、新しきを知る本といえます。
『醗酵の力』
★著者・小泉武夫・東京農業大学・醸造学、醗酵学専攻・農学博士
★売価・・・・872円(税込み)NHKライブラリー