2005年12月26日
お薦めの本-26 『究極の免疫力』

このところ免疫に関する 本が多くの人々に読まれてベストセラーの仲間入りしているものが少なくない。本書は、免疫に関して専門書 と一般書の中間的な本であるが、最先端の免疫学の知識を得るにはうってつけの本である。
西原先生の著書は「赤ちゃんの進化学」という本の紹介でお馴染みと思います。長年の免疫学 研究で「カギはミトコンドリアが握っている」ことを突き止めました。免疫に関する記述は多少医学的知識がないと難しいかもしれません。
しかし、「口呼吸」 や「体を温めることの大切さ」など東洋医学との共通点や、日本の医療制度、医学界の内幕など、 現代医学の問題点、日本の医学はどこの時点でおかしくなったのか等、東大医学部に在籍した人しか知り得ない内情など、関係者でなければうかがい知れない話しです。
いままでそびえ立つ「白い巨塔」と思っていたものが、実は明治時代の西洋医学導入時からのボタンのかけ違い、戦後アメリカ医学の台頭により日本の医療がどのように歪められたか、医史学的な面白い読み物としても興味が沸きます。
さらに、発生学的に正しい子育てのあり方など、昔からの日本の育児法の正しさなどを検証し、年来の主張である西原節は健在です。
★著者・西原克成(日本免疫病治療研究会長、西原研究所長)
免疫学では、新潟大学の安保先生とともに新しい系統の学説を提唱する双璧。
★売価・・・・1,680円(税込み)講談社インタ-ナショナル
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2005年12月25日
お薦めの本-25 『早く肉をやめないか?』ほか

3年前の秋、日本で突然発見されたかのごとき「狂牛病」ですが、筆者はすでに5~6年前から著作や講演で警告を発していました。
発見されてからも、農水省、厚生労働省の対応は〈臭いものにふた〉で「国民の安全性」を置き去りにしたため、不安は一挙に拡大しました。数ヶ月が過ぎて「のどもと過ぎれば・・・」という頃になりましたが、基本的な問題は何ひとつ変わっていません。
そんなとき、事の発端から、問題の本質まで深く掘り下げた本書をお奨めいたします。対岸の火事と思っていた狂牛病が実は、レベル・スリーという強汚染国だったという。3年前の秋発見された狂牛病以来、国民の関心は深まりましたが、本当の情報は不足していました。
適切な解説書として、またどのうよに対処したらよいかという対策まで書かれた安心の一冊です。
筆者は九州大学理学部へ進み、早稲田大学文学部を卒業後、日本消費者連盟の運動に参加し、「消費者レポート」の編集にあたる。現在はフリージャーナリストとして「週刊金曜日」の執筆者のひとり。
話題作「買ってはいけない」の代表執筆者として名を馳せる。消費者・環境問題を中心に執筆、講演活動を続けている。常に消費者の側に立ち続ける姿勢に徹している。
自分と家族を守る方法として、「日本食の見直し」を中心にした〈台所革命〉を提唱している。
「豆はスーパー完全食品」「豆腐・味噌・納豆こそ、日本のスーパースター」と説く狂牛病対策には耳を傾ける価値有り。
「狂牛病と台所革命」
★著者・船瀬俊介・フリージャーナリスト
「自然流だし読本」ほか著書多数
★売価・・・・ 1,260円(税込み)㈱三五館
戦後の日本は、わずか50年でその暮らし方を激変させてきた。「文化」の名のもとに変えてきた価値観は本当に正しかったのか?「衣・食・住」すべての面にわたって棄ててきた「日本的なるもの」の西洋文明にない優れた民族の智慧を再確認させられる本です。
「青畳のイグサ」の懐かしい臭いに郷愁を覚える日本人はまだ残っていると思います。建築の近代化は畳を追いやり、現在は圧倒的に床はフローリング、内装は石油化学製品の建材にとり囲まれ、ハウスシック症候群の原因となっています。
安い中国産の畳表に翻弄されて後継者も少なくなった熊本県八代のイグサ農家が一念発起、有機栽培転換(キトサン農法)。そして、新しい用途の研究の末に、改めて驚かされた日本人の祖先の智慧のたくましさと深さ・・・。
イグサは畳だけでなく、建材、壁材、食材、薬材として甦った。
21世紀のエコロジー製品としてまさに「目からウロコ」という感動のレポート。
これぞ〈生活革命〉を提唱している。
(※イグサは「燈芯草」といわれる薬草で、中国の古い漢方薬学書には薬効が数多く記載されています)
★著者・船瀬俊介 フリージャーナリスト
★売価・・・・ 2,100円(税込)築地書館
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2005年12月24日
お薦めの本-24『免疫革命』

免疫に関する話は、今まで専門書では一般人には少々難しくややこしいものがあった。今回、安保徹先生の書かれた本は、以前出版された一連の本に比べて素人にも分かりやすく書いてある。
先生の業績は免疫学において「白血球の自律神経支配の法則」や「胸腺外T細胞の発見」などという西洋医学としての業績だけでなく、「心の持ち方が体調をつくる」「食べもの大切さ」「身体を冷やしてはいけない」などといった東洋医学的な考え方にもとづき医療を提唱している点にある。東洋的な思考が未来の医学を開くと言ってるように、統合、全体(太極)を見ることによって、画期的な発見がなされたのではないかと思います。
ガンにしてもいわゆる三大療法・手術・抗ガン剤(化学)・放射線療法では治らないと大胆に宣言し、ガンの本当の原因はストレスと喝破しています。免疫療法による新しい治療法は本書の詳細をご覧下さい。本書は「究極の健康法は自然のリズムに乗って生きる」と、ガンや難病で悩んでいる方には心強い指針となるでしょう。
「免疫革命」
★著者・安保徹・新潟大学大学院医歯学総合研究科教授
★売価・・・・1,680円(税込み)講談社インタ-ナショナル
西洋医学の自律神経説は、交感神経と副交感神経とバランスを説き、東洋医学の陰陽論と似ているところがあります。 「爪もみ療法」は、難しい理論を抜きにして、誰でも簡単に出来る方法です。
もともと東洋医学(鍼灸治療)の刺絡という治療法をベースにして考えられた治療法です。手足の指の爪の生え際を挟んで揉むだけの簡単な方法です。この本は、日本自律神経免疫治療研究会理事長・福田稔先生が、安保先生の免疫理論を実際の治療に役立てる手法として着目し、応用したことを分かりやすく書いたものです。専門家(医師・鍼灸師)が行う刺絡療法と違い何も器具・道具が要りません。
痛みを伴う疾患ばかりでなく、不眠、耳鳴り、うつ、めまい、湿疹、ダンエット、イビキなどなかなか治りにくい病気も、自分の自律神経の働きを整えて治せるというものです。もちろん、糖尿病、潰瘍性大腸炎、膵炎などの難病にも効果があることが実際の臨床例で示されています。普段の健康管理法としても手元にあると便利な一冊です。
「爪もみ療法」
★監修・福田稔・ 日本自律神経免疫治療研究会理事長
★協力・安保徹・新潟大学大学院医学部教授
★売価・・・・ 740円(税込み)マキノ出版
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2005年12月23日
お薦めの本-23『粗食のすすめ』『食育』

ご存じのように「粗食のすすめ」は大ベストセラ-本なので、何をいまさらと思われるかも知れません。つい最近、著者の幕内秀夫さんと、ある講演会後の座談会で直接話をする機会がありました。その結果、多くの点で共通の認識をもっていることが分ったが、この本のなかで強調されているのは、現代の食生活の問題点と戦後栄養教育の弊害に鋭く触れていることである。
現在、著者は「学校給食と子供の健康を考える会」の運動を推進している。幼児期の食体験、食育は人の一生を支配する最大の要因となる。その意味においてこの本をもっと多くの方々に読んで頂きたいと思い推薦申し上げる次第です。
★著者・幕内秀夫・茨城県生まれ
東京農大栄養学科卒・管理栄養士
★売価・・・・『粗食のすすめ』 476円(税別)文庫版・新潮社
「三つ子の魂百まで」という諺は、人が成長するときに、3歳くらいで食べた食事によって大脳にインプットされ、大人になってからの嗜好を決めたり、食べ物の味を判断するモノサシとなる大切な時期であることを示しています。
現代は、子どものアレルギー性疾患や肥満、小児成人病などが指摘され、小学校に入るまでの食生活が、その子たちの一生を決めかねない時期でもあります。
いま、若いお母さんたちに「子どもが偏食」「子どもが野菜を食べてくれない」などという事で悩んでいる方が大勢います。子どもの食事に悩んでいるお母さんたちに、本書は基本的に「子どもの食事は簡単!!」と、食育に関する考え方と智恵を授けてくれます。
現在言われている「栄養教育」の常識を問い直し、ヒトは「でんぷん」を食べる動物と、話を分かりやすく書いてあります。子どもたちの食事に関して、簡単なものを難しくしてしまう情報を整理し、誤った常識や情報から解放され、肩の力を抜いてお子さんの食事を考える良書です。
子どもにとってもう一つの大切な食生活「学校給食」についても、長年の著者の考え方が示され、給食を理解する上でも本書は役立ちます。
★著者・幕内秀夫・茨城県生まれ
東京農大栄養学科卒・管理栄養士
「学校給食と子供の健康を考える会」主宰
★売価・・・・『食育・明日からできる10の提案』 1,575円(税込み)かもがわ出版
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2005年12月22日
お薦めの本-22『食の堕落と日本人』『醗酵の力』

世界中の人々の「気質」「気性」が国により異なるのは、その土地(国)で採れた食べ物を食べることにより形作られます。それゆえ、世界中の国家は農業を「国の基」として政策を推し進めています。しかし、日本の家庭には国籍不明の食があふれ、食の乱れは、個人の体の変調のみならず、社会の崩壊につながり、民族の存亡にかかわる重大現象と、本書は「農の視点」から警告してます。
「国を滅ぼすには、武器を使わなくても食を変えれば自然に亡ぼすことが出来る・・・」という戦後GHQ(占領軍)の謀略説ともいわれた政策(農地解放・米切り捨て策)に乗って進められ60年が経ちました。今、日本の農業は息絶え絶えとなり、食料自給率はエネルギー換算で30パーセント台の危機的な状況にまで下がっています。
醸造家に生まれ、農学を学んで子弟に「日本の食」を教える著者が、醗酵(微生物学)を通して日本の農業再生の道しるべを示し、「医食同源」を説き、食生活の変化による民族の遺伝子が危うくなっている現状に警鐘を鳴らします。そして、正しい「食事学」が日本および日本人を救うとも説いています。
農・水産業は国の生命維持産業と位置づける主張に、今こそ国民一人一人が、真剣に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。
★小泉さんは箸を持った憂国の士です。
この本は、肉となり、骨となり日本を支える精神になります。僕は小泉さんと同じものを喰って、同じウンコをしたい思っています。・・・・永 六輔
『食の堕落と日本人』
★著者・小泉武夫
東京農業大学教授・醸造学、醗酵学専攻・農学博士
★売価・・・・ 1,575円(税込み)東洋経済新報社
普通の日本人なら毎日食べるであろう味噌、醤油、納豆、漬け物、かつぶし、酢などや左党の好きなお酒などは日本の醗酵食品を代表する食べ物です。福島県の酒屋の伜である小泉先生が、専門の醸造、醗酵についてわかりやすく蘊蓄を語った一冊です。
日本食の醗酵技術は世界に冠たるものですが、意外と日本人が知らないで外国から注目されている技術が沢山あります。にもかかわらず日本は食料輸入大国で食べ物を作らない国になってしまいました。個々の醗酵食品に関する章も興味深いことが書いてありますが、醗酵技術が日本の食料事情の改善、再生に役立つ展望が示されて、「温故知新」ふるきをたずね、新しきを知る本といえます。
『醗酵の力』
★著者・小泉武夫・東京農業大学・醸造学、醗酵学専攻・農学博士
★売価・・・・872円(税込み)NHKライブラリー
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2005年12月21日
お薦めの本-21『赤ちゃんの進化学』

「キレた子供」や「大人」など、今までの常識が通用しない社会現象が起き、加えて子供の三分の一は何らかのアレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、鼻炎、喘息、花粉症、など)があり、その原因は専門家の間でも色々に取りざたされています。
そんなとき、人間形成における「子育ての重要性」を哺乳類の中の霊長類・ヒトの発生学、進化からして「日本古来の子育て法」の正しさを証明した痛快な本。
戦後、アメリカから導入された育児法の誤りを指摘し、
「寝る子は育つ」
「三つ子の魂、百まで」
「骨休め」
など、昔から言われている日本の子育ての正しさをを医学的に検証し、発生学という見地からもすばらしい智恵であることを証明した。
子育てに自信のない若いお母さん、独身女性からお年寄りまで、各家庭に一冊常備すべき、今の時代にとって必見の良書。
★著者・西原克成 東京大学医学部付属病院口腔外科
★売価・・・・ 1,400円(税込み)
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2005年12月20日
お薦めの本-20『北の料理人Ⅰ』『北の料理人 Ⅱ』

北海道を舞台に、良い食材を求めて料理人が現地におもむき、手と足で確かめ実際に味わって一流の舌で書いた本。北海道に腰を据え、北海道を愛してやまない著者ならではの知られざる本物の食材が全編に溢れている。本当の北海道を知るにはお奨めの一冊。
ホテルクラビー・サッポロの料理長・貫田桂一さんは、北海道庁から「地域づくりアドバイザー」の委嘱を受けているシェフです。
厨房を飛び出し、食の宝庫・北海道を駆け巡り、その目と舌で選んだ食材を使ってフランス料理を主とした創作西洋料理で有名人です。
その貫田さんが北海道の知られざる本物の食の宝庫を紹介した本です。地道にほんものの食材を作っている農家や、昔ながらの漁法にこだわり頑固にまもっている漁師をたずね、北海道ならではのいろいろな食材が満載されています。北海道に関する食の情報誌としても、これ以上の確かなものはありません。
貫田さんは修行時代、厳しい先輩から「塩は一番高い調味料」と仕込ま れ塩に対する思い入れは深かった。キパワーソルトに出会ったときも、ピンと直観力が働いたという。それ以来キパワーソルトに関する研究は第一人者といって過言ではない。
北海道へお出かけの節は、ホテルクラビー・サッポロで貫田さんの美味しい創作西洋料理を味わってみてください。
礼幌市中央区北2条東3丁目 電話011-242-1111
「北の料理人Ⅰ」
★著者・ホテルクラビー・サッポロ料理長、貫田桂一
★売価・・・・ 1,985円(税込み)晶文社
一冊目を発刊してから2年、さらに北海道中を巡り、今や北海道の食材産地を行くと貫田さんの名前を知らぬ人はいないというほど、熱意で集めた北海道ならではの食材を料理にして紹介。
「北の料理人 Ⅱ」
★著者・ホテルクラビー・サッポロ料理長、貫田桂一
★売価・・・・ 1,985円(税込み)晶文社
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2005年12月19日
お薦めの本-19『我的上海』

知人である著者の山岡義則さんは、長年にわたって中国関連業務に携わり特に上海との縁が深く、その思い入れの深さは並でないものを感じる。現在も「上海メーリングリスト」を主宰し、上海に在住するビジネスマン、単身赴任者、赴任家族、留学生、のほか中国に興味を持つ人にとって貴重な情報源となっている。長年の「日本上海頻繁往来(ニッポン・シャンハイ、イッタリキタリ)」に基ずく経験をベースにして書き下ろした一冊。
これから中国を知ろうとする人にも興味深く読める本です。
実際に暮らしてわかった上海、そして離れてみてわかった日本のことなど、1985年から中国ビジネスとの関わりが始まる。
長年の中国暮らしの中で「中国を知ってるいると過信していた自分」に気付き、「中国のことは分からない、中国人のことはわからない」と悟ったときからいろいろ見えてきたものがあると言います。
貴重な体験をもとに読者を引き付ける優しさにあふれた文章が山岡さんの人柄を偲ばせます。特に中国語マスターについてのコツは「目からウロコ」の感があります。
また、友人の写真家・柴田よしのりさんと前原桂太さんの上海の市井や庶民生活を撮った「我的写真館」は、何か懐かしささえ感じるオールド上海のイメージを彷彿させるものがあります。
数多い中国関連書籍の中で出色であり、お奨めの一冊・・・・
★著者・山岡義則・大阪出身・関西大学文学部中国文学科卒
★売価・・・・ 1,500円(税別)遊タイム出版
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2005年12月18日
お薦めの本-18『百歳をすぎてもすごい生きる力』

この本の作者・志茂田景樹さんという人に実際行き会った印象は、テレビなどで見る派手なイメ-ジとは全く違う。何色にも染めたヘアーカラーやカラフルな上着と対象的な話の内容である。直木賞の受賞作品である「黄色い牙」というマタギの世界を描いた素材からも凡そ外見とは趣が異なる。その志茂田さんから聞いた講演では、老人問題や子どもたちに対する聞かせ語りのボランティア活動など思いがけないテーマであった。
志茂田さんが100歳以上の長生きのお年寄りを尋ねて日本中を廻り、聞き書きしたのが本書である。約1年半にわたる取材で、元気なお年寄りに共通点のあることに気がついたという。その中で特に気がついた要素として・・・・
(1)野菜を多食している。(2)自分でやれることは何でも自分でやっている。(3)人生観、信念もっている。(4)若いときからよく働いて、手先が器用で足腰が確りしている。(5)趣味や楽しくやれることをもっている。(6)独り暮らしでも、肉親や、地域の人と積極的にコミュニケーションを図っている・・・などが見られるそうです。
すでに高齢化社会に突入しているにも関わらず、どんな生き方をしたらよいのか迷っている人も、そうでない人にも、このお年寄りの生き方は本当に勇気づけられるものがあるのではないでしょうか。
★著者・志茂田景樹 著
★売価・・・・ 1,300円(税込み) KIBA BOOK・刊
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2005年12月17日
お薦めの本-17『おじいちゃん日本のことを教えて』

著者の中条高徳(なかじょう・たかのり)氏は、元アサヒビール副社長で現名誉顧問。アサヒビールがトップメーカーの地位を築いた原動力は中条氏あっての事と業界ではつとに知られている。
陸軍士官学校を経て学習院大学を卒業し、軍人の経験をもつおじいちゃんと、アメリカに留学中の孫娘からの質問に答えて手紙やEメールでやりとりした「日本の国のかたち」。今、日本の若者に伝えなければならない文化・伝統について、おじいちゃんが、孫娘を通して語りかける。各世代、各界の方々から大きな反響を呼んだ21世紀、日本への恋文。
アメリカなど外国へ留学する若者が世界一多い日本ではあるが、日本の文化について何も知らず答えることが出来ず、軽蔑されるのも一番のようである。アメリカのマスターズ・スクールに留学する孫娘から「日本の歴史・文化」についての質問をきっかけに、経済的には豊になったものの、大切な何かを失った現在の日本のありように、おじいちゃんが思いのたけを孫娘に託して日本の若者に語りかける一冊。
骨抜きにされた日本人の魂を、教育、歴史、民族のあり方を筋道を通して語る。伝えていくのは、われわれ世代の責務と、特に戦後の卑屈なまでに日本の良い伝統文化や暮らしを否定した歴史的考察と経過を明らかにして、若者のみならずすべての日本人に対して警鐘を鳴らす。こころある日本人ならば共感を覚えずにはいられないことでしょう。
★著者・中条高徳
アサヒビール名誉顧問、(財)日本青少年研究所理事ほか
★売価・・・・ 1,470円(税込み)致知出版社
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2005年12月16日
お薦めの本-16『環境学講義』

著者の瀬戸昌之先生(東京農工大教授)は、知人の中野濱子先生の実弟で長年環境問題に取り組んで来た。
21世紀の地球規模共通の最大テ-マは環境問題といわれながら、大国のエゴや開発途上国の貧困にさえぎられ、遅々として進まないのが現状である。
なぜ、わかっていながら破壊や貧富の差は拡大するのであろうか。鋭い考察と地球がこれ以上破滅の方向へ行かないための方策・知恵が長年の研究を通して語られている。
財を求める過程で社会や自然が破壊されている。
それは、世界中で財を激しく求める人によって生存基盤が破壊されるからである。一方では足るを知りながら、自給自足的な生活をする貧乏な人も存在する。しかし、このまま行ったら、やがて両者とも次々と消滅する運命が待っている。なぜなら、生存基盤としての豊かな自然はすでに失われているし、激しい財の欲望を満たすほど地球は大きくないからである。
この本は、人、社会、自然との関わりを、食料、水、エネルギ-、ごみの問題としてとらえ、社会や自然の破壊を止め、貧富の差の拡大をおさえ、公正で質の高い持続可能な社会の構築と、人としての果たすべき責任は何かを問う事から始まる。
汚染者負担の原則を徹底することにより多様な社会の持続性をひとりひとりに問いかける。
★著者・瀬戸昌之
東京農工大教授・理学博士・専門は生態系微生物学
★売価・・・・ 2,300円(税別)岩波書店
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2005年12月15日
お薦めの本-15『神道と日本人』『神道見えないものの力』

著者は、奈良・春日大社宮司を務める葉室頼昭先生。先生は、藤原一族の中で勧修寺家流の内大臣・藤原高藤の血筋をひき、葉室中納言を始祖とする家系に生まれ、平安時代から900年続く家柄で天皇家の神事に携わる家系だったといいます。
戦後、大阪大学医学部を卒業し、日本では誰も手がけていなかった形成外科(先天性および後天性の身体外表の醜状変化を、外科手術を用いて正常にし、個人を社会復帰させることを目的とした外科の一分野)の草分けとなり、その分野での第一人者となる。病院を開業しているときに出会ったのが東洋医学、特に鍼灸の不思議さに心打たれ、形成外科の治療に新領域を切り開いた。
しかし、血筋のなせる業か、見えない何かの力に導かれてか、後進に病院をまかせ、神官の道へと進み、最難関の試験を突破されて、神職の最高階位「明階」を取得。奈良・春日大社の宮司に就任されました。
神様にお仕えし、日本の『神道のこころ』を説いて活躍しています。
神道でいう「宇宙の仕組み」や「自然との共生」は、東洋の哲学と相通じるものがあり、「神道というのは、もともと信仰ではありません。本来、日本人の生活、智慧をさして神道といっていました。その特色のひとつに共生ということが挙げられます・・・・」と、もともと日本人の生活に根ざした神道のあり方を説いて、多くの人々に知っていただきたいと著したのが『神道のこころ』(春秋社刊)で、本書はその姉妹編にあたる。神道にあまりなじみのない方も日本人として、こころに沁みる数々のメッセージがこめられています。
「神道と日本人」
★著者・葉室頼昭・奈良春日大社宮司
★売価・・・・ 1,890円(税込み)春秋社
奈良・春日大社宮司・ 葉室頼昭先生(元葉室形成外科病院長にして日本形成外科の草分け)が、書き下ろした日本人へのメッセージ。もともと日本人のこころの中にある「自然との共生」「自然を敬まう心」を説き、見えないものの力(神)を解き明かした一冊。ふだんの生活で触れ合うことの少ない神道についてとても分かりやすく、読みやすく書かれている。
先に紹介した「神道と日本人」の姉妹編ともいえる本書は、医師から神道のこころに目覚め、神職として〈生きること〉と〈いのちを伝える〉ことにすべてを尽くして熱く語りかける。
時間と空間、日本語のもつ本当の意味、生命の不思議さを語る中で、特筆すべきことは塩について「神社でお祭りをするとき・・・必ず塩と水とお米、これらがお供えされます。なぜかというと水と塩、これら国つ神からのお恵み、つまりエネルギーの根源であり、その中から生命が誕生したのであり、それから太陽の光や空気という天つ神のエネルギーを得て出来たのがお米だからです」とあり、更に塩については詳しく述べられている。全編を通して真実の人生とは何か、ということが説かれている。
「神道見えないもの力」
★著者・葉室頼昭
奈良春日大社宮司・元葉室形成外科病院長・医学博士
★売価・・・・ 1,890円(税込み)春秋社
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2005年12月14日
お薦めの本-14『日本人の清潔がアブナイ』

子供のアトピー・ぜんそくの急増、うんちのできない小学生、脱毛と美容、エステ通いの若者、臭い消し化粧品を買うオジサン・・・。人の生命力を弱める清潔症候群の危険性とは?「清潔好き」ニッポンに潜む病理を「回虫博士」の異名をもつ藤田先生が軽妙なタッチとユーモアで描き、笑ってばかりはいられない、本当はアブナイ話ばかり。
日本人の「清潔志向」の行き過ぎが虫歯の減少のようなプラスの効果もあるが、行き過ぎると逆に本来の体の免疫力を落としてしまう。においなどの異物を排除していくと、集団が均一化して免疫力が落ち、生き物としては弱体化していく。
回虫を体から追い出した日本人は、次に自分たちの体を守っている「共生菌」を排除した。そしては今は「におい」までも排除しはじめたのだと、藤田先生は怒る。
人間社会は本来、異物をかかえこんで成立している。本書では「清潔病」に踊らされているこどもから若者、そして子育て中の女性、さらにはオジサンに至るまで、弱体化してきたニッポンジンを救ういくつかの方法を学んで欲しいと、著者は訴える警世の書。
★著者・藤田紘一郎・東京医科歯科大学医学部教授
★売価・・・・ 1,680円(税込み)㈱小学館
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2005年12月13日
お薦めの本-13『梅暦・梅料理』

古来より日本人が愛してきた花のひとつに「梅」がある。学問の神様(天神様)で親しまれる菅原道真公も『東風(こち)吹ふかば匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな』とうたっています。日本料理界でこよなく梅を愛し、梅を使った料理では第一人者とプロの世界で一目置かれ、自称「梅干ばばあ」と言って憚らない乗松祥子さんが著した「梅」の本です。千五百年以前に中国から渡ってきた「梅」ですが、中国には「梅干」という食べ物はありません。
「梅干」は梅と塩の生命力を重ね合わせ、太陽のエネルギーを注ぎ込んだ日本独特の食品で、私たちご先祖の大発明というべき食べ物です。
その「梅干」に魅せられ梅暦、梅料理ひとすじに35年という乗松祥子さん。
代官山で日本料理店を営むかたわら古来からの伝統品種「杉田」という梅の普及に全国の梅農家やいろいろな団体の要請に応じて飛び回っているという。
「梅干」「梅エキス」「ウメジュース」「梅酒」の作りかたをはじめ、四季の梅料理(カラー写真とレシピ)と著者の梅に対する思い入れと、良い梅と梅干を次世代に伝えたいという情熱が胸打つ、梅に関する本として一級品。
★著者・乗松祥子・東京代官山、日本料理「延楽」主人
★売価・・・・ 1,650円(税別) 文化出版局
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2005年12月12日
お薦めの本-12『坐のはなし』

最近、「和」の文化が見直される機運がありますが、その顕著なものに「和食」の文化があります。欧米で和食が健康食として見直され、 ようやく日本でもそれに気がつき出しました。まだ、復権の端緒にしか過ぎませんが、食の次には住まいの中の姿勢の問題ではないでしょうか。
この本をお書きになったのは、昭和大学名誉教授・昭和大学藤が岡リハビリテーション病院長・森義明先生です。
本の冒頭に「京都のお寺で、坊さんの説教を聞いていると、その中の外国人の若い女性は背筋を伸ばして『正坐』をしていた。 その隣でジーパンを履いた日本の若い女性が足を投げ出して聞いていた・・・」とあります。『正坐』は、外国では「日本人の坐り」 (SEIZA・ Japanesesitting)と言われるように、日本人独特の坐り方と言われてますが、 日本人が正坐を出来ずに外国人が正坐をしていて、それかサマになっており、よく似合うのを見ると何か奇異な感じさえ受けると、 云っておられます。
森先生の専門は、整形外科とリハビリテーション、長年、リハビリ専門医としての経験から、 日本の伝統的坐りの文化の再評価へ進まれたと言います。つまり、日本の畳みによる生活様式では、立ったり、 坐ったりすることによって知らず知らずリハビリを行っていることになる。腰への負担も正坐はは椅子よりもはるかに少ない。 坐ることにより適度な刺激が脳細胞に伝わる。自然に腹式呼吸が行われ、動脈中の二酸化炭素が減少し、副交感神経機能が増進する。 武道をはじめ、茶道、華道、書道などで正坐が必須であったのは根拠があったということです。
今の日本の子供たちにとって坐る文化は、完全に死んだといって過言ではないでしょう。このまま、あと2、 30年もすると日本では坐の文化を失ってしまう危惧さえ感じます。なぜなら今の住宅の中にはタタミの部屋の存在が全くなくなり、 あってもわずかで、ほとんど西洋化しているからです。
日本では江戸時代まで、上から下まで、あらゆる階級、職業の人が、分け隔てなくすべて床に坐り、床にふとん敷いて寝ていました。 西洋では、古代から王侯貴族は高型椅子と高型寝台で、奉仕する奴隷は床に坐り、床に寝る。この発想は、基本的に現代でも変わりません。
江戸時代、日本の教育は世界最高水準にありました。子供たちは、三つ、四つになると寺子屋、民間の無数にある塾にかよって、 読み書きソロバンを習います。畳の部屋に低型机、そこで、まずきちんと正坐するように躾けられるのです。正坐するとは東洋医学的には、 「丹田」を煉ることにほかなりません。子供、幼児のころから、日常生活の中で丹田を煉る非常に高度な修業を実践していたわけです。 日本人は古来より、坐ることによって足腰が強靱になりました。近頃、お年寄りばかりでなく、若い人でも膝が痛い、 腰が痛いと訴えて来診する人の多いのは、こんなところにも原因があるのではと思えるのです。
森先生は、かつて整形外科学会・「膝障害」のシンポジウムで、正坐が膝障害治療に有効である、との説を述べたとき 「正坐が良いとの研究論文はない、外国にもない」と否定的反論がなされたとき、思わず「ここは、日本である!」と啖呵を切ったそうです。 そして、その時から「坐」の問題に取り組んで来たとあります。
坐るという行為と姿勢が、こんなに種類が多く、奥深いものであるとは思いもよりませんでした。坐り方ひとつが、普段の暮らしや、 宗教的な関わりにも、また精神文化にも深い意味があることを知らされます。まさに、 日本の誇るべき文化復権の一石になればと思い必読書としてお薦めです。
発行・相模書房・定価(1,500円+税)
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2005年12月11日
お薦めの本-11『料理を深く考える』

この本を取り上げたのは、親友である中学時代同級生の娘婿と従兄弟(著者)という関係から頂いた本だから紹介したというわけではない。 また、フランス料理のレシピを書いた本でもない。この本は著者・伊藤和人さんが、料理人を志して、どんな方法で学び、 知識と技量を蓄えて行ったか、まさに「好きこそものの上手なれ」といった諺を地で行ったようなメモリーであり、 和洋を問わず料理人を志す人の気構え、心構えをどのように持ったらよいかが参考になる本だからである。そして、これから志す人が学ぶべきは、 その準備の周到さではないかと思う。
料理は、洋の東西によって「身土不二」異なるものだが、普遍的に美味しい料理は、それぞれその国の文化が背景にあってこそ、 料理に旨味や奥深い味が出てくるものと考える。著者が若くして志を立てたとき、たまたま料理がフランス料理だから「言葉」から入っていった。 そして仕事に着く前に、フランスの田舎、 しかも余り料理人は普通行かないような山岳地帯でキノコやトリュフを採取する現場を一週間も同行して見聞を広めている。もちろん、 フォアグラを飼っているところも尋ね、農家の人たちと交流を図っている。だから、 素材に対するいつくしみや理解のレベルが一段と深いのかも知れない。
洋の東西を問わず、料理は食材・素材の命(気)を頂くものだから、その上に成り立っているという認識がある料理人と、 単なる食べ物としてしか食材を見ない料理人とでは、おのずと出来上がったときの料理の気迫みたいなものが違う、 ということをいつも感じています。日常の仕事をこなしながら、料理のコンクールの練習と、 偶然年一回の試験が重なってしまったソムリエの勉強と、周りからみたらものすごい努力も、本人から見たら大変ながら、 楽しんでいるという心境だったと読み取れました。
料理人の資質のひとつとして、料理に対する感性と共通ということがありますが、古来料理の上手い人は、 絵や書も彫刻も上手な人が多いようです。北大路魯山人の例をひくまでもなく、焼き物(陶磁器)まで手がける人も多いのです。 著者が本の全編に描いてるイラストは、全部自ら今まで描いてきたものでイラストレーターとしても一流の域に達している。
パリでは三つ星レストランとして有名な「マキシム・ド・パリ」の銀座店・副料理長として活躍している著者だが、 40歳を出たばかりの中堅シェフである。「若き料理人へのメッセージ」とあるけれど、もっと大成したときの著書が、 どんな風にレベルアップするか楽しみではある。同郷出身というだけでなく、偶然高校の後輩にも当たる著者の今後の精進を期待するものです。 フランス料理のお好きな方が、ある意味「通」になれる内容で、これを知っていたらもっと味わい深くなるかも、の一冊です。
発行所・新風舎 定価1,000+税
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2005年12月10日
お薦めの本-10『わらのごはん』

岡山県の山中で民宿「わら」を営んでいるという船越さん夫妻が書いた、この「わらのごはん」を手にしてたとき、 いわゆる病気治しのための食養の料理本や、しかつめらしい和食の料理本とはちょっと違う印象を受けた。本の表題にあるように食事は 「おいしく」「ありがたく」頂くのは当然だが、「楽しく」の部分については、中身を読むと、なるほどと思われる。
船越さん夫妻の体験に裏打ちされた料理のレシピが数多くあるが、 陰陽の基本を踏まえながら余りそれにとらわれていないところが気軽に読める原因かなと思います。料理の基本である「だし」 のとり方も分かりやすく、それを応用した吸い地の濃い口、淡口、揚げ物かけだし、うどんつゆなど、応用が効くし、作り方も懇切である。 そして、ほとんどの料理には、野菜が主体なので当然ではあるが、「重ね塩」が指示されていて、塩の使い方も練達の士であることが読み取れる。
山中の民宿だから、野菜は自家菜園でとれたもの、まわりの里山で採れる自然の恵み、さまざまな食材を料理するわけです。 とかく現代の食生活は都会暮らしだと、食材の選択は何でも多種少量買えるし、季節感も自由に選択できる。ところが、 本来食物には一番成長して、本来の栄養分を保つ「旬」エネルギーがある。自然食の作物では、でき始めると毎日採れるし、いわゆる「ばっかり」 となるが、そんなときのバリュエーションに富んだ「ばっかり」食の考え方と応用レシピが数多く掲載され、「ばっかり」 に戸惑う主婦でも簡単にできそうである。
春夏秋冬、季節の料理の仕方も、食材の組合せも融通無碍、 ふつう食養では多用することは好ましくないといわれる魚介類も季節と野菜の組合せにより、美味しそうに出来上がっている。料理法も「和」 にだけこだわらずフランス料理、イタリア料理、中華料理のレシピも違和感なく使いこなしている。そして、パーティー料理には、ビール、 ワインも山の景色と共に写し出され、堅苦しくないのが程よい。
そして、日本人にとっては「ごはん」が主役であることを、陰陽や身土不二の堅苦しい話でなく、 シーソーのたとえでやさしく説く著者の見識は、実践と深い経験に裏打ちされたものだけに、なじみのない人にもわかりやすい。 このテの本にしては、中々写真もきれいで、構成もうまく出来ている。普段扱うことが少なくなった材料の下ごしらえも、細かく写真で説明され、 男でもちょっと料理してみようかなという気になる。
料理は、「まずは、やって見てください。レシピ通りに料理をしてみて、思い通り出来たためしがない。・・・・・・ レシピはその手がかりです。手近にある材料を使って、まずやってみましょう」という言葉は同感である。 近頃は料理離れの主婦が増えているといわれていますが、これから料理を身につけたい主婦には、ぜひお読み頂きたい一冊です。
発行・地湧社 3,000円+税
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2005年12月09日
お薦めの本-9『やっぱりあぶない電磁調理器』

ここ数年、新築のお宅や新築の高層マンションに行くとキッチンの真ん中に鎮座しているのが便利で安全と謳われているIHヒーター・ 電磁調理器ですね。電磁波のことは、以前から危険、いや安全と論争が繰り返されています。とくに携帯電話の電磁波は危ないといわれながら、 つい便利さに負けて使っている方のほうが多いのではないでしょうか。
何かと問題視されながら、電力会社と家電メーカーの資本力で、昨年は80万台も普及したそうですから、 社会的にもいろいろな角度から検証されるべきでしょう。本の表題にもある通り「やっぱりあぶない」という表現は、 いろいろ問題があった事を示唆しています。
著者の船瀬俊介さんは、東京で3~4回講演を聞いたり、座談をしたりということで面識があります。漫談調の講演で、愉快な方ですが、 見識も有り、きちんと下調べして書いていると思います。ホームページの本紹介欄に「狂牛病と台所革命」を紹介しましたが、現在の狂牛病の実態をみると、本で予見した通り推移しています。
電磁調理器のメカニズムは、素人考えでも電流をいったん磁力エネルギーに変換し、それを鍋に伝え、もう一度電流にもどして、 金属鍋を発熱させるということですから、二度手間になり何ともムダな感じがします。市民団体による電磁調理器の電磁波強度テストにしても、 安全性は非常に強い疑念が湧いて来ます。
やはり健康について心配があるのは「心臓のペースメーカー」を入れた人、妊婦、小児などですが、 かつて私は植物でこんな経験があります。15年ほど前、友人が東京・吉祥寺にあるビルにテナントとして診療所を開設しました。 いろいろな商売をしても巧く行かない場所というのが気になりましたが、場所柄、立地条件もよく割安という話でした。 とりあえず観葉植物の鉢をお祝いに送っておきましたが、着いてから一週間で枯れてしまったという、やや非難めいた電話がありました。
そんな簡単に枯れるようなものではないのですが、上京のおり立ち寄ってみると原因がわかりません。しばらくあれこれ詮索して 「場の気診」で最終的にわかったのは、スペースの壁面がエスカレーターにぴったりくっついていた事。 強力なモーターから出る電磁波で鉢の観葉植物は枯れたと推測できました。
なるほど居心地が悪く、いままでどんな商売も繁盛しなかった理由もわかりました。結局1ヶ月で引き払う破目となりましたが、 後日デパートのエスカレーターを観察してみると、知っているのか偶然そうなっているのか、 エスカレーターの両脇は通路で空いているスペースがほとんどで、人が立つ陳列棚は近くにない事に気がつきました。
電磁波とのかしこいつきあい方や、実用化しつつある自然エネルギーの紹介、 予防やエコ素材の利用などさまざまな角度から電磁波についての対処法がのべられています。わかりやすく書かれた啓蒙書としてお薦めです。
※そこで、現在私が使っている「遠赤外線・ラジエントヒーター」のご紹介です。興味がある方はこちらをぜひ御覧ください。 http://www.qisalt.com/private/rajient-heater.htm
発行・三五館 1000円+税
投稿者 ikeda : 17:30 | コメント (0) | トラックバック2005年12月08日
お薦めの本-8『もったいない』

2004年ノーベル平和賞受賞者で、ケニア共和国環境副大臣のワンガリ・マータイさんが日本でみつけた言葉「もったいない」という、最近とんとお目にかかることの少なくなった事を再発見、再発掘した本です。ワンガリ・マータイさんが環境問題に取り組んでいる合言葉に「3R・リデュース・リユース、リサイクル」があるそうです。この三つの言葉をたった一言で言い表した「もったいない」という言葉に出会ったとき、世界へのメッセッージとして大事な言葉と感じたそうです。
「もったいない」という言葉は、以前の日本人にとっては「日常茶飯事的」な言葉であり、態度でした。
私の世代でも、ご飯どきには、明治生まれの父親から、「ご飯はお百姓さんが汗水流し、苦労して作ったものだ。もったいないから一粒たりとも残してはならん」と、小言の定番として、毎度毎度、耳にタコが出来るくらい聞かされたものです。戦中、 戦後の時代、物不足でしたから、その言葉はあらゆる事に適応され、自然と身につき、今でもお茶椀のご飯粒は一粒残さず、副食もきれに食べる習慣が身についています。もちろん、年齢に従って残さず食べられる量に、腹八分目に調節しています。
『「もったいない」の表側は、物的損失を惜しむ気持ちです。いっぽう、その裏側では、失ったものを手にしたり、完成させたり、そこにたどり着いたりするまでの「形には表れない大切なもの」に馳せる感謝の気持ちと、それを無にしてしまった嘆きとが、一体となって、日本人独特の精神世界を形作っています』というワンガリ・マータイさんの言葉は、近頃の日本人が忘れていた精神(こころ)そのものです。
それは、かつては日常茶飯事であった日本人の暮らしの智恵に対する畏敬の念でもあり、同時に現代日本の文明に対する警鐘でもあります。
本書に書かれている暮らしの智恵のいくつかは、江戸時代がルーツである暮らしの智恵が紹介されていることに気づきます。 風呂敷のマルチな用途の広さ、応用の多用さはもっと見直したいものです。アロハのルーツが日本の浴衣(ゆかた)とは思いもよりませんでした。 ゴミの収拾システムは江戸に学べであり、割れた茶碗やお皿も「焼繼ぎ屋」さんによってリユースされました。もったいないの精神の技術がどんどん消えて行くのは、惜しい事です。
世界で一番食べ残しを廃棄処分している日本、一方では飢餓に苦しむアフリカなど途上国の人々がいます。地球上の資源は限られ、21世紀は水資源の分配が大きなテーマになろうとしています。毎日の暮らしの中で、「もったいない」のこころを再発掘しないと、日本沈没の日が来ないとも限らないと杞憂するのは年のせいだけとは思えません。多くの人にお読み頂き、気づきの一冊となればと思う次第です。
発行・マガジンハウス 952円(税別)
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2005年12月07日
お薦めの本-7『養生の実技』

長い間続いていた民放の深夜番組で五木さんのトーク番組を時々聴いたことがあります。日頃の作品のイメージとは、 ちょっと違和感を感じる夜のムードたっぷりのテーマ音楽で、ミスマッチな感じのする出だしでした。この作家の最近の一連の作品には 「大河の一滴」の人生を感じさせるものや「気の発見」のように東洋医学を相当理解していることを感じさせるものがありますが、今回 「養生の実技」という本を出しました。「養生」という言葉は若い世代の方から見るとカビのはえた古くさい言葉のように思えるでしょう。 最近の健康法ブームや高齢化社会の世相に作者自身の体験から得た「五木流・平成養生訓」が述べられています。
意外なことに五木さんのご両親とご兄弟は早世だったようです。それに自身の腰痛との長い付き合いや、体の様々な不調があったとは、 この本で初めて知りました。それで五十を過ぎてからの人生をどう過ごすかということは大きな命題で、 自分自身に見合った養生法の感じたものを著したのが本書です。「人間は死のキャリアとして生まれてきた。死を病院で救うことはできない。 そうであるならば、病院に行かず自分で延命する道はないのか。日頃の用心がまず第一。治療では手遅れだ。治療より養生。 これからの健康を考える上でのキーワードは、まちがいなく養生である」という後書きには共感を覚えます。
書かれている内容で感じるのは、古来からの健康法や養生法には「行」であったり、 凡人には出来そうもないことが書いてあったりしますが、本書では「体験と偏見による養生の実技100」というものが述べられていて、 身の丈に合せた健康法という感じがします。例えばよく噛むことの重要性は知っていますが、実生活で一口100回というのは、 なかなかしんどいものがあります。「養生の実技100」では冒頭「よく噛んで食べるが、週に一度くらいは余り噛まないで呑みこみ、 消化器を目覚めさせる」とあり、ほっとする方も多いことでしょう。若者に限らず「冷たいもの中毒」の弊害はおそるべきものがありますが、 「冷たいものは飲まない。飲むときは口の中で噛んでから飲む」とあり、私も常々実行しやりやすい事柄です。
特に呼吸法については蘊蓄を吐露されていますが、前著「気の発見」と併せて読むとよく理解できると思います。要は 「呼吸法も楽なほうがいい」という事で、ガチガチな考え方に陥りやすい呼吸法についても五木流養生術の極意がかいま見えます。 日頃の心がけにしても「耳をすまして体の声を聴く」=「身体語をマスターする」「体については自己責任が心地よい」= 「安易に病院にたよらない。医学を尊敬しつつ、自己責任を忘れない」など現代社会に対する警句ともとれる言葉が散りばめられています。
「養生実技100」の中から、ご自分に合った養生法をさらにピックアップしていったら、 いま実行している健康法の取捨選択を決めるモノサシともなるでありましょう。わたくし的には「養生」というなじみがなく、 古くさいと受け止められがちな言葉や考え方が、これを機によみがえるならば望外の喜びです。
発行・角川書店(角川oneテーマ21) 定価・686円(税別)
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2005年12月06日
お薦めの本-6『ゼロからの免疫力』

10日ほど前、以前から一度お話を聞きたかった著者・ 藤田紘一郎先生(東京医科歯科大学教授)回虫博士の講演を聞きに行って参りました。著作の中でホームページに紹介した「日本人の清潔があぶない」の内容通り、ユーモアにあふれた話しぶりでした。
医学生になろうとして、三重県多気郡○○村から東京へ出て受験したのが東京大学医学部。田舎出の学生が、受けたのはよいが「生物学」 のホルモンの出題で、「ホルモンは食べるもの」だとばっかり思っていた為に、見事不合格という話しに会場は大爆笑。翌年、 東京医科歯科大学へ合格したものの、野暮天の代名詞「柔道部」に在籍中、大学の便所で「熱帯病調査団長」の教授に会ったのが「ウン」のつき、 インドネシアのカリマンタン島へ荷物もちで行くことになったそうです。
以来40年、第二の故郷というべき島の子供たちを見ていると、ウンチの流れている川で遊んでいる子供のほうが、日本の子供よりよほど強くたくましく健康であることに気づく。いろいろ調査しているうちに、最近の日本人の行き過ぎた「ご清潔」との違いは、回虫の有無にあるということ。かつて50年ほど前の日本人の6割以上は回虫持ちだった。その頃にはアトピー性皮膚炎や杉花粉症などはほとんど見られなかった。研究によると回虫の出すウンチやオシッコの中に分子量2万くらいタンパク質が人の免疫力を上げる物質であると発見したのが藤田先生。
大人も子供も「抗菌グッズ」生活をしている現代、特に親が子供の体の中に入ってきたバイキンを抗生物質でやっつけ、身の回りのバイキンを抗菌グッズで遠ざけ、子供が本来もっている免疫システムを弱くしてしまったという。だから菌としてはヤワな部類の大腸菌O-157にも抵抗力のない体になっているという事です。大人でも、例えばトイレで洗浄するようになってから急増した女性のさまざまな膣炎は、膣に定在するデーデルライン定在菌を流してしまうため、トリコモナス菌などの病原菌の侵入を許してしまうからだといいます。
つまり、微生物や回虫も全部が悪い虫ばかりでなく、人間社会と同じで、悪いのもいれば、善いのもいるという事を知ることが大切。 バイキンやウィルスを初めとしたいろいろな生き物との「共生」につきる、という結論です。もちろん、食べ物の大切さも説いておられましたが、 食べ物の作り方も、戦後の農法は化学肥料や農薬による「ご清潔」な方向へ進んで来たと思います。そのため、 もやし的なひ弱な作物が人の体をつくる事となり、確かに農作物からの回虫感染は激減しましたが、新聞に時折載るように 「体格は大きくなったが、体力が無い小学生」ばかり、ということが言えますね。
話を伺っていて、気(Qi)のパワーが不足した野菜など、食べ物に気合が入れられるのは、 気(Qi) パワーソルトではないかと思いました。ゼロ歳から健康な子供を育てるための考え方、実行の仕方が回虫ばかりでなく、食、水、住まい、環境、 旅、五感の磨き方など様々な角度から書かれています。特に、お子さんをこれから育てる若い方々必見の一冊と思います。
発刊・集英社 定価600円(税込)
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2005年12月05日
お薦めの本-5『歯科医療が日本を変える』

いくつか読んでいるメルマガの中に参議院議員で医師の桜井 充さんという方が送って下さるものがあります。面識は全くありませんが、まだ49歳ということだから、政治家としては若手の部類ですね。しかしながら、メルマガによるその活動報告は専門の医療問題に限らず、中小企業の金融円滑化に関するテーマなどにも取り組んでいるとのことです。
その中で医師でありながら、特に力を入れて取り組んでいるテーマに歯科医療政策がある。私も、腰痛や膝痛ばかりでなく内臓疾患の患者さんにいたるまで、顎関節や、頸椎のズレやゆがみの相関関係をいつも診ているから、桜井議員の「歯科医療を変えることが医療費を減らすことに繋がる」という主張は、とても良く理解できます。
ですから、キパワーソルトで歯磨きを励行することを私も推奨しています。その意味するところは、年をとっても自分の歯で食べることがとても大切なことであると、本書でも多くの例を挙げられています。
なぜ歯科医療の充実が医療費を削減するかというと、将来、老人医療における痴呆症(最近は、認知症となったが、本書ではまだなじみがないということで旧来の呼び方を踏襲している)の医療費増大が予想されています。
しかしながら、北海道学園大学の研究室の報告では、義歯スコア、つまり入れ歯が合っていない不良群の患者さんの痴呆の割合は75%であり、入れ歯が合っている、良好群の患者さんの痴呆の割合は45%ですから適切な歯科医療で入れ歯の入っている人の方が、痴呆の割合の少ない事が分かります。つまり、高齢化社会だからこそ、歯科医療が重要という主張です。
東北大学の渡辺誠先生の報告では、自分の歯が多ければ多いほど痴呆が少ないというデータを報告しています。本書の中で高齢者医療のあり方を学ぶべきという広島県・御調町(みつぎまち)の在宅老人と寝たきり老人の割合を示したものがあります。昭和55年当時、寝たきり老人の割合は4%くらいでした。ところが今は在宅老人の数が増えたにもかかわらず、寝たきり老人の割合は1%、ということです。この町の取り組みは、一言でいえば病院の先生が、寝たきりの方を作らない努力をしたということですが、その中で歯科医療との取り組みも相まってということでした。
また、歯科医・藤井先生のビデオでは、痴呆症で車椅子だった患者さんが、その方に合った入れ歯を入れた瞬間に立ち上がることが出来た感動的なシーンだそうです。そして、口唇の付随運動(口のモグモグ)や歩行、 痴呆さえも徐々に改善し、名前も忘れていた人が2カ月後には時計の時間を言えるようになったことです。
とかく、一般の国民には分かりにくい医療制度や、さらに無関心とまでは言わないにしても非常に分かり難い歯科医療制度について、とても分かりやすく堅苦しくなく書いてあります。また政治家ならではの医療と政治の関係にも触れ、著者の政治家としての真摯な姿勢をうかがい知ることが出来ます。また、児童虐待問題のケアと歯科医療など、その他幅広い政治活動の観点から種々解説されています。ご自分の健康問題と相関して参考になる一冊としてお薦めです。
発行・桜井充とともに明日の歯科医療を考えるネットワーク・定価500円 お問い合わせは、 E-mail:mitsuru@dr-sakurai.jp
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2005年12月04日
お薦めの本-4『塩で暮らすナチュラルライフ』

著者・パティ・ムースブラガーの「家の中で困ったことがあったら、塩を使ったレシピを試みてください」訳者・佐光紀子さんの 「ほんのひとつまみの塩で、生活をすっきり安全なものにできるのです」という前書きで始まる本。
戦後このかた、塩にまつわる数々の偏見がインプットされた日本では、医師の間でも「適量適塩」を唱えるのは少数派、「塩悪者説」 を唱えるのは多数派という構図ですね。そして、国民に植えつけられた「減塩思想」は中々抜きがたいものがあります。ですから、 古来からあった塩のいろいろな応用面は語り伝えられることもなく、塩は単なる一調味料と思っている消費者が大多数ではないでしょうか。
本書は、自然素材を使った家事をテーマに、著作活動を展開しているアメリカ女性の著者が、 家の中で幅広く活用できる塩の効能を書いたものです。日本の主婦が、忘れ去られた塩の応用知識を外国人によって教えられるというわけですが、 舶来思想や外圧に弱い日本にとっては、丁度よいタイムリーな本といえます。
内容は、昔から日本でも伝えられていた応用知識がほとんどですが、外国人らしい視点からの目新しい使い方も随所に見えます。現在、 キパワーソルトをお使いのユーザーの方々にとっても、使い方の知識がさらにワイドに広がること請け合いです。
訳者のあとがきにも「どこかにおき忘れたおばあちゃんの知恵。ちょっと立ち止まって見直してみるのはどうでしょう・・・」 とありますが、まさにその通り、塩の品質においては最高のキパワーソルトを使えば、書いてある内容以上の効果が希めます。
塩に関心のある方は、ご家庭に一冊常備して置く価値大ですから、強力にお薦めする一冊です。
発行・ブロンズ新社・定価1,470円(税込)
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2005年12月03日
お薦めの本-3『世界を変えるお金の使い方』

今の日本では100円の使い道は「何も買うことができない」とか「小学生のお小遣いにもならない」とかいわれそうな金額ではありますね。この本では東京大学生産技術の山本良一教授が、責任編集をして環境保全と社会のさまざまな問題の解決のため、お金をどのように使えばよいかを示した本です。
つまり、お金をどのように使えば地球の為になるかを示した本です。1秒という時間の間に地球は人口増加2.4人(年間7,700万人)、炭酸ガス排出量760トン、大気中の酸素減少量710トン、地表の平均温度上昇は年換算0.053℃、グリーンランドの氷の溶解量1600トン、中国の砂漠拡大面積78㎡など1秒1秒地球は劣化しています。
近代の科学技術や資本主義市場経済は私たちの生活に大きな恩恵をもたらした反面、地球環境という公共財を勝手に利用して来たツケがいま回ってきています。お金は万能ではなく、お金で何でも解決できるはずもないが、使い方によっては世界を変える原動力になることを示唆しています。
例えば、100円で「予防可能な感染症の中で、死亡率が高く、手足に重い後遺症をのこすポリオから、ミャンマーのこどもを5人守ることが出来ます」例えば、「内モンゴルのホルチン砂漠に植えるポプラの苗木が10本買えます。大切に育てれば、 それはやがて10mのポプラ並木へと変わります」
例えば「聴導犬の訓練1日のごほうびがまかなえる」例えば「戦乱が続いたアフガニスタンの子ども5人に教科書が提供できる」などなど100円の重みを教えてくれます。 そして、それらに関したNPOやNGOなどアクションの入口も書いてあります。
日本でも色々な環境・食料問題があるが、千葉県鴨川市にある棚田「大山千枚田」の支援オーナー募集の紹介がされています。これは、年間3万円前後の「棚田オーナー」となり、秋には収穫したお米を頂くものだが、休耕地や荒廃地が増えている現在、無くしてしまったら復活がほぼ絶望となる棚田のを守る運動の一環です。 日本の原風景ともいうべき美しい景観と稲作に都会の人たちが参加することにより、 田圃のもつ環境力と食料問題の保持という点から大切なことと思います。
キパワーソルトに関しては、世界人口の内1割の人たちの生活と密接につながっている黄海の生態系と豊かな漁場をまもるNGOが紹介されています。 中国と朝鮮半島に囲まれた黄海は漁業資源に恵まれ、日本も黄海の海産物を大量に輸入・消費している関係で、決して無縁ではありません。しかし、近年は開発に伴う埋め立てや干拓で広大な干潟の多くが失われてしまいました。世界自然保護基金では、日本・韓国・中国の科学者と連携し、黄海の生態系保全に乗り出しています。漁業ばかりでなく塩田も環境保全と非常に密接な関係がありますから、身近に感じる問題です。
発行・ダイヤモンド社・定価1,260円
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2005年12月02日
お薦めの本-2『おいしい野菜』

いま消費者が求めているのは、食べ物の安全性についてであることはいろいろアンケートや調査の結果からして一番関心の深いところですね。野菜も輸入が増え、生野菜もそうですが、いま漬物や加工食品としての野菜のほとんどは原料を輸入に頼っています。その場合問題になるのは、やはり安全性でしょうね。
本書は国内でおいしい野菜、つまり安全(無農薬・無化学肥料またはそれに近い農法)で栄養に冨み、新鮮であるなどの条件を満たした生産者を紹介したものです。
消費者として安全な野菜を選択する国の目安「有機農産物」=有機JASマークがあります。しかし、農家からいうと認証を受ける手続きが面倒であったり、経費がかかったり、メリットの余りない制度なので、本当に良いものを作っている小規模な農家は、認証を受けなくても十分消費者に支持されている場合、取らない農家も多々あります。私が以前、硝酸塩チッソの残留試験をしたとき、有機JASマークの野菜で「?????」というのがありましたから、認証があるから完全に信用できるという事でもありませんね。
本書に紹介された生産者は北海道から東北、関東、関西、四国、九州、沖縄におよんでいる。生産者・生産地を表示した他、扱っているお店や入手方法も書いてあるから、消費者にとって便利ではあります。本書に載っている生産者の畑や、作物は、ある方法によって診断したところ「気」(Qi)のレベルは高いほうなので推奨に値します。安心してお求めになれる生産者であり作物です。
本書では「在来品種」の記事がありましたが、良い野菜を作るときに、余り消費者の知らない問題点は、「種戦争」のことですね。以前から農産物の種は世界的なアグリビジネスが支配に乗り出し、遺伝子組み換え作物などは、その戦略上の路線の上にあります。
編集の目的外なのかわかりませんが、伝統的な農業を守る場合のひとつ問題点ですから、もう少し掘り下げの欲しいところです。
野菜には関係ないところで巻末には、野菜を保存、料理するということで冷蔵庫などが紹介されています。そこで「フードプロセッサーを知らないのは不幸」などという小見出しや記事は頂けませんね。包丁で刻んで料理したものとの違いが分別できないのは、料理を実際したことがないか、料理の味がわからない人のいうことで、いささか味覚神経に問題があるのではないでしょうか。
道具は使う目的、使い方があることを吟味すべきでしょう。IH調理器に関しても同様で、まだ評価がいろいろで定まらないものについては、一般誌ならともかく取り上げることに編集者の見識について一考を促したいものです。
シリーズ第一号ということですから、今後の編集内容を注目していきたいと思う一冊です。発行所・㈱ワールドフォトプレス・定価1,200円(税込)
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2005年12月01日
お薦めの本-1『あなたのために・いのちを支えるスープ』

家内が講読している月刊誌の偶然読んだ記事で、料理家・随筆家・辰巳芳子さんのことを知った。
記事の中にある「あなたのために・いのちを支えるスープ」という本を取り寄せた。この本を著すきっかけは、 お父上の八年におよぶ言語障害をともなう半身不随の病に、療養中の嚥下困難がスープと結びつける機縁となったと言います。「つゆもの、 スープ」と人の関わり合いはの真髄は、あらゆる理論を超えて「一口吸って、ホッとする」ことと書いていますが、明治生まれの父なども、 味噌汁に限らず汁物のことを「つゆを呉れ」などと言ってましたから、露が降り、ものみな生き返るさまと重ねて、 自然観にあふれた表現と思います。
辰己さんの恩師は、加藤正之先生という方で、大正から昭和にかけて宮内省膳寮において、仕事をされた方だそうですから、 日本の伝統的な料理のこころをきっちり伝えられたものと思います。
この本に願いを込めて書いたことは、
●人が生を受け、いのちを全うするまで特に終りを安らかにゆかしめる一助となるのは、おつゆものと、スープであると確信。願わくは、日本の病院食にこの本が貢献しうる日があるように、とのことです。
テレビ番組で放送していましたが、いま日本の病院では、患者さんに完全静脈栄養の輸液で好しとしています。しかし、回復が遅かったり、むしろ悪化していく症例が多いのに気がついた病院では、スープや流動食で、自分の口から食物を入れ、 胃や腸で消化吸収するよう患者さんを訓練したところ回復しやすくなったということです。そこで、分かったことは、大腸の絨毛の上皮細胞の中に免疫物質が増え、完全静脈栄養の輸液をしている患者さんの腸は、極端に少なくなっていたということです。
●学童・中高生の給食には、安全な農作物、雑魚のだし汁、日本大豆の味噌で作った味噌汁を実現したいと言うことです。
●最も切なる願いは、家庭生活で、おつゆもの、スープが、何気なく、温かく、家族を守り育ててくれますように。
本書の中で、おつゆもの、スープの解説が図式にチャート化されていて、和・洋いずれも非常に理解しやすく解説されています。
そして、レシピは教室の生徒さん百余名のスープ教室を六年続けたという練習の中で、改良を重ねてきたものだそうです。 いま若い女性や主婦の中には、日本の伝統的な味噌汁をきちんと作れることが伝わっていない事が多いようです。たかが味噌汁ですが、だし汁の取り方、水のこと、味噌の扱い、四季折々の具の使い方、火の扱いまで、家庭料理の基本を期せずして学ぶことができます。
現在、NPO活動で「良い食材を伝える会」の活動を通して、日本の食文化や食と生命の関わりを守り育てようと、 80歳という年齢を感じさせず活躍中です。料理、なかでもおつゆものと、スープに関しては座右の一冊とされるにふさわしい本と思います。
発行所・文化出版局 定価2,730円(税込)